県営住宅は、低廉な家賃で住宅を提供しており、高齢者や障がい者も含め、住宅にお困りの方に対するセーフティーネットとして、重要な役割を果たしています。
県営住宅への入居は、公募が原則ですが、例外として、入居名義人がお亡くなりになった場合には、配偶者などの同居人が、引き続き住み続けることができる、承継、という制度があります。
この制度については、国の通知により、入居機会の公平性の観点から、特に居住の安定を図る必要がある方に限るよう、求められています。
そのため、県では、これまで、知的障がいの方については、障がいの程度が重度や中度の場合には、承継を認める一方、軽度の方には、自立生活が可能であるとして承継を認めておらず、他の住宅への転居をお願いしてきました。
そうした中、県は、今定例会に、「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例案」を提案しました。この条例は、障がい者が、自らの望む暮らしを実現することができ、誰もが喜びを実感できる、地域共生社会の実現を目指すものです。
県営住宅においても、公平性を担保しつつ、障がい当事者の目線で、望まれる暮らしをどのように実現していくか、考えていく必要があります。
そこで、軽度の知的障がいの方についても、生活環境の変化に敏感で、他の住居への転居後に苦労されている方もおられることから、継続して同じ部屋に住み続けることができるよう、承継制度の運用を改めます。
こうした取組により、県営住宅が、今後一層、住宅のセーフティーネットとしての役割を果たしていくとともに、当事者目線の障がい福祉を推進して、「ともに生きる社会かながわ憲章」の実現を、目指してまいります。