大規模災害発生時、災害対策本部の統制部が、ICTを活用し、迅速かつ円滑に、人命に関わる応急対策の調整を行う体制を強化することは重要です。
県では、災害対応の基本となる防災情報を180に及ぶ関係機関と確実に受伝達するため、防災行政通信網を運用しており、現在、再整備を進める中で、最新のICTによる機能強化を図っているところです。
具体的には、専用のスマートフォンで、現場から直接送られる被害映像などを、関係機関でリアルタイムに共有できるようにするなど、機動性を高めます。
また、河川の氾濫など、災害のリスクが高まった局面では、県と市町村、関係機関などを専用回線によるテレビ会議で結び、住民の避難や応援の調整等を行うことを可能とするなど、機能を充実させます。
再整備が終了する来年度以降は、関係機関も交えた研修や訓練を重ね、最新の機能を備えた通信網を確実に運用できるよう、練度の向上に努めていきます。
さらに、県は、災害情報を収集し、関係機関との共有や、県民の皆さんへの発信を一元的に行うため、災害情報管理システムを運用しています。
一方、国は、関係省庁や自治体を結ぶ防災デジタルプラットフォームを数年内に整備する構想を打ち出しています。県は国のシステムとの連結を視野に、県のシステムの一層の機能強化を検討していきます。
このほか、県は、県内23の消防本部との間で、迅速に情報共有を図るKアラートや、AI技術を活用し、SNSに投稿された防災情報を瞬時に把握するシステムなど、最新技術の導入を進めています。
県は、今後も、災害対策本部の統制部における、迅速かつ円滑な活動を確保するため、ICTの積極的な活用に努め、災害への対応力強化を図ってまいります。