現在、長引くコロナ禍で、多くの方が不安やストレスを抱えている状況にあります。
そのため、こころの悩みを抱える方に寄り添う、相談事業の役割は、より重要性が増していると認識しています。
県では、これまで、悩みを抱えた方が相談しやすい環境づくりに向け、取組を進めてきました。
その一つが、こころの電話相談のフリーダイヤル化です。
これは、平成23年に「自殺」をテーマとして開催した「対話の広場」における「電話相談の通話料金が負担」というご意見を踏まえて、通話料金を無料としたものです。
このフリーダイヤル化により、県民の皆様が、通話料金の心配をせずに、安心して、悩みを相談できるようになったと認識しています。
しかし、一方で、こころの電話相談は、接続率が低く、すべての相談に対応できていないことや、若年層には、電話での相談に抵抗を感じる方が多いという課題もあります。
そこで、昨年度は、これまでの電話相談に加え、LINEを活用した「いのちのほっとライン@かながわ」を開設し、より多くの人が相談窓口を利用できるよう、体制の充実を図りました。
また、新型コロナウイルス感染症の自宅・宿泊療養者や、医療従事者等に向け、こころの相談窓口を新たに開設し、特定の窓口に相談が集中することなく、内容に応じた相談がしやすい体制づくりを行いました。
このように、相談窓口の拡充を図ってきましたが、コロナ禍で、こころの悩みの相談を希望する方が増えている状況があり、これに十分対応できていないため、さらなる充実が必要であると認識しています。
そこで、今後、県では、NPO等民間相談機関などと連携し、悩みに応じた相談先を紹介するなど、県民の皆様がより相談しやすい環境づくりに努めていきます。
また、こころの電話相談の接続率については全国的な課題でもあり、国や他の都道府県と意見交換を行って、その改善策について検討していきます。
こうした取組により、悩みを抱える県民の皆様が相談しやすい環境づくりを進め、誰一人取り残さない社会の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。