県の福祉現場では、精神や障がい福祉など、それぞれの分野で事案が複雑困難化しており、第一線で対応する福祉職の役割はますます重要となっています。
また、児童虐待相談の増加に対応するため、児童福祉法が改正され、児童相談所の職員の大幅な増員が求められています。
これまで県では、採用予定数を単に増やすだけでなく、採用試験を年2回行うなど、工夫して人材確保に取り組んできました。
また、職務経験や知見を持った即戦力を確保するため、平成26年から任期付職員、平成30年から児童心理の有資格者、令和元年から福祉分野の経験者の採用を開始するなど、多様な人材の確保にも努めてきました。
人材育成については、OJTのほか、福祉職の人材育成指針に基づき、採用後10年程度の間に、障害福祉施設や、児童相談所等の複数の異なる分野を経験し、幅広い視野の習得や、業務適性の見極めを行っています。
その後、本人の希望を聞きながら軸となる専門分野を決めてキャリアを積むなどの育成を行っています。
こうした中、福祉職の採用は、本県と同様に近隣自治体でも課題となっており、競争状態にあります。確保にあたっては、キャリアプランの充実等による神奈川らしい魅力づくりや、その発信が必要です。
また、本県が進めている「当事者目線の福祉」を担える職員など、より高い専門性を有する人材の育成が急務となっています。
そこで今後は、「当事者目線の福祉」を担う人材育成に向け、先駆的な取組を行っている民間施設等との交流や、当事者団体との連携など、より実践的な研修カリキュラムを整備していきます。
さらに、県立保健福祉大学など教育機関と連携し、専門性を高める人材育成策を検討していきます。
併せて、こうした神奈川らしいキャリアプランを構築していることを、県の福祉職の魅力として、大学や専門学校等の養成機関に、積極的に発信し、本県の福祉職を希望していただけるよう、取り組んでいきます。
引き続き、様々な人材確保策を行いつつ、神奈川らしい人材育成や、その魅力を発信して、着実に人材の確保と育成に努めてまいります。