まず、横浜市の特別自治市構想の実現に向けた動きについてです。
特別自治市構想は、現行の地方自治制度の枠組みを大きく変えるものであり、憲法上の論点をはじめ、地方自治制度の根幹に関わるテーマです。
また、国の第30次地方制度調査会からは、特別自治市が、全ての県税・市税を一括して賦課徴収することによる近隣自治体への影響などの課題が指摘されています。
このように、特別自治市構想は、横浜市単独の問題ではなく、今後の地方自治制度全般のあり方に関わることから、慎重に議論すべきと考えています。
一方、横浜市が、自らの大都市制度のあり方を模索していることは、否定するものではありません。
今後は、地方自治法に定める指定都市との調整会議も活用しながら、特別自治市構想を含めた、県と指定都市とのあり方について、トップレベルでしっかりと議論してまいりたいと考えています。
次に、地方自治制度のあり方についてです。
近年、地方自治体が対応すべき行政課題が多様化する中、こうした課題に的確に対応するためには、住民に身近な事務は、できる限り市町村に移譲すべきです。
その一方で、県は、広域的な課題や、高度な専門性を要する課題などへの対応、広域自治体としての役割に一層特化していくことが不可欠です。
そして、地方自治体の自主性・自立性を高めていくためには、更なる権限移譲とともに、地方税財源の充実強化を図る必要があります。
このため、県は、これまでも県内経済のエンジンを回し、税収増を図る取組を進めるとともに、仕事量に見合った税財源の確保を国に強く求めてきました。
こうした取組を重ねる中で、県民や議会、市町村の皆様と議論を深め、今後の地方自治制度のあり方を発信していきたいと考えています。