3.公共的施設における禁煙条例(仮称)について
(1)パブリックコメントに寄せられた県民意見の取り扱いについて。

<質疑>
 この条例については、4月に基本的考えをとりまとめ、4月から5月にかけて県民意見反映手続き、いわゆるパブリックコメントを実施し、現在、結果を分析されているとのことであります。
 条例による規制の検討対象となった施設を見ますと、官公庁施設、学校、病院、公共交通機関など、公益性の高い施設のほか、飲食店やマージャン店、パチンコ店など、娯楽性の高い施設も含まれており、そのためか、パブリックコメントにも3,700件を超える意見が寄せられているとのことであり、県民の皆さんも高い関心を寄せられていることが十分に窺われるわけであります。また、内容別としては、規制対象施設に関するご意見、分煙、経済的な影響に対するご意見など様々な意見があり、一人のご意見の中に、「この部分は賛成だけれども、ここはこうしてほしい」「この部分は賛成だが、この部分は反対だ」といったようなご意見もあると伺っております。
 このように、多様な意見が寄せられ、それに基づき、様々な議論、検討が重ねられ、それらの議論を通じて合意形成がなされ、条例案に反映していく、というのは、まさしく民主主義のあるべき姿であります。




 そこで知事に伺います。

 現在寄せられている県民意見の内容をどのように分析されているか。また、パブリックコメントに寄せられた意見をもとに、今後、どのような手順で検討を進め、どのように条例に反映されようとしているのか。所見を伺います。

<答弁> 松沢知事
 まず、県民意見の内容の分析、検討と今後の条例への反映についてであります。
 この条例についてはパブリックコメントによるご意見のほか、関係団体、市町村からも多数の意見をいただいており、また、さまざまな場で意見交換も行ってまいりました。改めて、県民の皆さんの積極的な意見表明に感謝するとともに、これらの賛否両論さまざまな意見をよく吟味し、条例案に反映していくことが非常に重要であると考えます。
 いただいた意見を基本的考え方の項目ごとに集計をいたしますと、規制対象施設に関する意見が最も多く、一律に禁止とすべきだとの意見も多い一方で、官公庁施設と飲食店など選択の余地の多い施設とでは、喫煙規制の必要性が異なるのではないか、あるいは、だれもが利用できる商店とマージャン、パチンコ店のように、年齢による制限のある施設などとでは規制の必要性が異なるのではないか、さらに、未成年者の利用する施設は規制の必要性が高いのではないかといった意見に大きく集約され、こうした視点からの検討が求められていると分析しています。また、規制の必要性に応じて、利用者や施設管理者の理解を得ながら、段階的に規制していくべきであるとの視点も今後検討すべき課題であります。
 そうした点について、外部の専門家で構成する条例の検討委員会においては、条例化を進めるに当たっては、喫煙者と非喫煙者の共存を図り、県民の合意形成に努めるべきである、完全分煙という手法も含めて検討すべきである、また、法制面での課題を十分に検討すべきであるとのご意見もいただいたところであります。
 今後、法制面の検討も行いながら、こうした意見を踏まえて検討委員会での検討を経て骨子案を9月には取りまとめ、改めてパブリックコメントを実施するとともに、議会にもお示しをするなど、十分に議論をして県民のご理解をいただき、条例の制定を目指してまいります。