ゴミの減量には、1993年に施行されたリサイクル法が功を奏した。これからの課題は
75,000トンにもおよぶ家庭ゴミだ。
そのほか、ペイントやオイルなどの有害物質は、別途、専用トラックで収集しているほか、使わなくなった洗濯機、冷蔵庫などの家電製品は1年に2回、無料で収集している。家電製品については、郊外の廃棄場で常時、持ち込み受け付けているが、この場合は自分で運搬しなくてはならない。
カールスルーエは樹木の多い町だが、枝・葉などのゴミについては、市内各所に設置されたコンポストで受け入れている。それだけで、年間10万m²になる。
そうした、ゴミの処理にかかわるコストは、市民が料金として負担している。5人家族の家庭で年間300ユーロというのが一般的な目安。料金は設置するゴミのポストの数によって変わってくる。ただし、学生や高齢者住宅などには減額措置がある。
最終処分場では、発生するメタンガスのほか木材(倒木や枕木など)を燃やし、その冷却水蒸気を使ってタービンを回して発電を行なっている。1時間に400kwが作り出される電気は、電力会社に売却され、同時に発生する70°C〜90°Cの熱(最大1200kw/h)は1km離れた住宅地に送られ、1,200人分の暖房に利用されている。
ゴミはすべて市内で処理され、そのためのプラントその他も、市の財政でまかなっている。市の場合は独自で、町や村は郡単位で処理をしている。
50年かけてゴミを集積させてきた最終処分場も、使用期限が2005年5月31日に迫っている。その後は、約2mの高さで土を被せ、木を植える。安全な状態になったら、マウンテンバイクやそり遊びもできるグラウンドとして市民に提供したい。広さが約20万m²もあるので、使いではあると思う。