性犯罪加害者に対する再犯防止の取組について


<質問要旨>

 自治体が性犯罪の再犯防止に取り組むことは容易ではないが、新たな性被害を生じさせないため、性犯罪をした者に対して、刑期終了後も再犯しないよう地域で支援していくことは大変重要であり、本県としても何らかの取組を行っていく必要があると考える。

 そこで、性犯罪加害者に対する再犯防止について、本県としてどのような取組を行っていくのか、所見を伺う。


<答弁> 黒岩知事

 性犯罪は、被害者の尊厳が著しく踏みにじられ、心身に重大な影響を及ぼすことから、根絶すべきものであり、一度罪を犯した者に、犯罪を繰り返させないことが重要です。
 現在、刑務所や保護観察所等で、性犯罪加害者へのカウンセリングや治療などの再犯防止プログラムが実施されています。
 また、国はガイドラインを策定し、県や市町村に、再犯防止等への支援を求めています。
 しかし、犯罪歴は特に配慮を要する個人情報であり、県が性犯罪加害者を把握するのは難しいことから、現状では、県から当事者に対し直接再犯防止の取組を行うことはできない状況です。
 また、県や市町村では、再犯防止に必要な知識・技術等を十分に有していないため、そうした知見を深めていくことも必要です。
 そこで、まずは性犯罪加害者の再犯防止に向けた知見を深めるため、性犯罪防止プログラムを実施している保護観察所や医療機関等と、県や市町村の保健、福祉等の関係機関との連携を強化します。
 また、今後開始される、保育士等の採用の際に性犯罪歴の確認を行う日本版DBSの運用状況も注視しながら、性犯罪加害者の再犯防止に向けた、県としての取組の方向性を検討していきます。
 その上で、県が取組を進めるために必要な個人情報について、その提供方法の検討を、国に働きかけてまいります。

<要望>
 神奈川県は、「再犯防止推進計画」を策定して、罪を犯した人が地域社会の一員として立ち直るための支援を行っているが、この計画は、主に高齢者や障がい者の方々に対する福祉的支援という意図が含まれている。どうしても再犯しやすい、再び刑務所に戻ってきてしまう可能性が高いということで、神奈川県では、社会福祉士会がそうした更生支援に関する研修の実施などを行っている。
 そういう仕組みもあり、今回、この課題は地域福祉課に受けていただいた。他県を見ると、こうした取組を応用して、刑務所等を出所する際に、自主的に帰住先等を申告してもらう事例もあるようだ。そうしたことを考えると、今回は地域福祉課に受けてもらったが、先ほど申し上げた、条例で取り組んでいる大阪や福岡を見ると、危機管理部局、本県で言えばくらし安全防災局も性犯罪加害者の再犯防止に取り組んでいる。
 性犯罪の再犯防止は、高齢者や障がい者の再犯防止と同列に扱うのは難しいと考えるので、部局横断的に取り組むことを検討いただきたい。