新しいモビリティに対応した交通安全対策について


<質問要旨>

 今年4月に改正道路交通法が成立し、公布から2年以内に施行されるが、改正法では、一定の要件を満たせば電動キックボードを運転免許不要でヘルメットの着用もなく運転できることになった。
 運転免許が不要なことで交通ルールを十分に理解しないまま運転することにより、公道における歩行者や自動車等とのトラブルや人身事故の増加が危惧される。また、シニアカ―や電動車椅子等の多様な車種の出現などによって、新たなモビリティを取り巻く状況が変化する中、交通安全に対する意識啓発と教育の強化が必須と考える。

 そこで、今般の道路交通法の改正を踏まえ、電動キックボードを含めた新たなモビリティの交通安全対策について、県警察をはじめ関係機関と連携して安全に関する啓発の取組を強化する必要があると考えるが、どのように取り組むのか、所見を伺いたい。

<答弁> くらし安全防災局長

 電動キックボードや電動車椅子などの、新たなモビリティは、次世代を担う交通手段として、期待される一方で、普及に伴う交通事故の増加が懸念されます。そのため、安全に関する啓発の徹底が重要です。
 そこで県は、昨年の5月に改定した、第11次神奈川県交通安全計画に、今後重視すべき視点として、多様なモビリティの安全な利用に向けた対策を位置付け、普及啓発に取り組んでいます。
 電動キックボードについては、県警察と連携し、ヘルメットの着用など、交通法令遵守の呼びかけを行っています。
 また、電動車椅子に関しては、走行前の点検や歩行者に準じた交通ルール等について、わかり易い啓発チラシを作成し、販売店や、関係機関と連携し、周知を図っています。
 こうした中、本年4月に道路交通法が改正され、電動キックボードについて、運転免許が不要となるなど、新しい交通ルールが定められました。
 これにより、電動キックボードの普及に伴う事故の増加を防ぐ観点から、販売店や利用者に対し、新しいルールの周知と、安全確保に関わる啓発や教育の徹底が、これまで以上に重要な課題になっています。
 そのため国は、交通安全教育の在り方や、安全対策に係るガイドラインの検討等を進め、公布後2年以内とされる法の施行に備えています。
 県としては、今後、神奈川県交通安全実施計画に、改正法の内容や、国から示されるガイドラインの趣旨を反映し、交通安全教育や普及啓発などの対策強化を図ります。
 加えて、交通安全に関わる224の機関で構成する県交通安全対策協議会を通じて、県警察や教育機関、市町村と連携し、新たなモビリティの安全利用に向けた交通安全対策の一層の充実に努めてまいります。


<要望>
 昨年暮れに警察本部長に安全対策について、お尋ねしたところでありますが、申し上げたとおり、その間、改正道交法の成立という大きな動きがありました。  安全に関する教育や啓発は、国の方向性を見た、という要素はあるにしても、施行までに既に2年を切っています。
 県としてできることは先行して、行っていただきたいと思います。
 県警察をはじめ、関係機関と連携して、という話もありますが、16歳から運転免許なしで乗れることになるわけですから、その年齢に達する前に、交通安全の基礎をしっかり身に着ける教育が必要だと思っています。特に県や市町村の教育委員会ともしっかり連携をしていただきたい。