副流煙のの健康への影響や、飲食店等の営業面の問題については、検討委員会等での議論の経過を見守りたいと思います。
ただ、たばこについては文化という側面もあるのではないかと思うのです。文化というと大げさに聞こえるかもしれませんが、要するに「人生をより豊かにするために、あるいはより楽しむために人間が作り出したもの」ということです。ヨーロッパ人で初めてたばこに接したのはコロンブスだそうで、時は1492年、所は西インド諸島であります。日本には、16世紀、南蛮貿易によって持ち込まれました。その後、江戸時代には庶民文化を彩る重要な嗜好品になったことが、浮世絵などを見るとわかります。ポートレートやスナップ写真にも、よく労働の合間に一服つけているシーンがありますが、たばこには疲れを癒し生活に潤いを与える効能もあったのです。本県でも、葉巻を楽しむための専門店があります。入店する客が副流煙を吸うことを了解の上で、喫煙を楽しんでいるのです。。
しかし、世界の潮流は禁煙です。禁煙大国アメリカでは、愛好家が細々と葉巻の歴史をつなごうと集まるシガーバーまで禁煙にする州が少なくありません。また、ビートルズの名作「アビーロード」のジャケット写真で、ポール・マッカートニーが歩きたばこをしているのが怪しからんとクレームが付き、CG処理でたばこを消したそうです。そのうち、映画の、バーでたばこを吸うシーンにモザイクがかけられる時代が来るのでしょうか。
そこで知事に伺います。
たばこは、嗜好品として数百年の歴史を持っており、さまざまな文化を紡いでまいりました。条例を制定する上で「たばこの持つ文化的な側面」については、どのように対応されるお考えなのか、知事のご所見を伺います。
|