2.道州制について
(2)道州制の課題について。

<質疑>
 知事は、全国知事会でも道州制の本格的な検討をすべきであると主張され、平成19年1月には、全国知事会から「道州制に関する基本的考え方」も示されました。
 しかしながら、未だに、「首長が責任を持って地域経営を行える範囲としては、道州制は広すぎる」など、道州制に否定的な見解を持つ知事さんもいらっしゃると伺っております。私も、道州制のもとで、どのように住民自治を担保していくのかということや、道州制は、基礎自治体に目が届きにくいのではないかという点に関しては、懸念をしているところであります。




 そこで、知事に伺います。

 このような様々な懸念に対し、当初より道州制の推進を唱えられている知事は、どういう見解をお持ちなのか、反対意見をお持ちの方々をどう説得していくおつもりなのか、ご所見を伺います。
 また、「住民自治のあり方」などの課題がある中で、現在の都道府県の区域に一定の役割を残すべきという考え方もありますが、併せて、知事の所見を伺います。


<答弁> 松沢知事
 現在、道州制の議論は政府・与党における議論が急速に進展するなど、国の検討はいよいよ本格化しております。こうした状況において、道州制の当事者である都道府県にとって重要なことは、真の地方分権型社会を実現するために、地方が一致して新しい国家像をつくるという強い意志と確かな将来ビジョンを持つことであると考えます。
 ただ、議員お話しのとおり、道州制は広過ぎるといった否定的な意見を持つ方々もおられますが、むしろ地域の活性化を図るためにも、県域を越える行政体として道州が必要であります。そして、道州制について反対意見がある中で、私の提案により、全国知事会で特別委員会が設置され、八都県市首脳会議においても共同研究が合意されるなど、異なる考えを持っている方々の理解が得られるよう取り組んでまいりました。
 今後、広域連携の強化によって道州制の道筋をつくり、国民各層にあるべき道州制の姿を広く示すとともに、政府に対し道州制特区の活用など、具体的に提案をしてまいります。
 また、住民自治の視点から、現在の都道府県の区域に一定の役割を残すべきではないかのお尋ねがありました。
 道州制のもとでは、基礎自治体は地域における住民に身近な総合的な行政サービスを担うことになりますので、市町村への権限移譲や市町村合併を通じて行財政基盤を強化する必要があります。一方、道州制は国と基礎自治体の間の経済圏に見合う広域自治体として、その地域の広域行政を担うことになります。その上で、道州において、現在の都道府県の区域に一定の役割を残す場合には、今後、道州の役割を踏まえ、屋上屋を重ねないよう、しっかりと検討していくことが重要であると考えています。