3.アレルギー疾患対策について
(1)児童・生徒個別の緊急時学校対応マニュアルを作成すべきでは。

<質疑>
 食物アレルギーによるアナフィラキシーショックを起こす児童生徒が緊急時に使う自己注射の持ち込みを認めないばかりか、持参薬の確認や薬の保管場所の提供さえ行っていない学校が多いと聞いている。そのような現状では、厚生労働省と文部科学省が事実上監修した冊子「食物アレルギーによるアナフィラキシー学校対応マニュアル」をもとに、症状が出た時の対処、自己注射を含む薬剤の学校への持ち込み・保管など有効な対応を定めた患者児童等の個別マニュアルを作成することが有効である。
 アナフィラキシーショックを起こすような重症の食物アレルギーを持つ児童生徒の数は、学校あたりで見れば少ないものである。




 そこで、教育長にお伺いいたします。

 保護者や専門医と連携し、「食物アレルギーによるアナフィラキシー学校対応マニュアル」をもとに、患者児童等一人一人に合わせた緊急時の個別対応マニュアルを作成すべきと考えるが、所見を伺いたい。

<答弁> 引地教育長
 教育関係について、お答えいたします。
はじめに、アナフィラキシーショックを起こす児童生徒への個別対応マニュアルについてのお尋ねがありました。
 血圧低下などの症状を呈するアナフィラキシーショックについては、多くは食物アレルギーによるものが指摘されていることから、県内の小・中学校においては、議員のお話にありました冊子「食物アレルギーによるアナフィラキシー学校対応マニュアル」を活用して、適切な対応に努めているところでございます。
 しかしながら、アレルギー疾患の中でも、アナフィラキシーは発作が起こりますと急激に重篤な状態に陥ることもございますので、各学校において児童生徒一人ひとりの個別対応マニュアルを備えておくことは、大変重要なことであると認識しております。
 そこで、県教育委員会といたしまして、まず、緊急時に対応できる個人カードの標準例を作成し、市町村教育委員会に提供してまいります。
この個人カードには、例えば
  1. 発作を起こした時の対応の手順や
  2. 主治医・保護者等への緊急連絡先
  3. 携帯薬や自己注射を本人が所持しているかどうか
などの項目を記載できるようにいたします。
 そして、各学校において、この標準例に基づいた個人カードを作成し、これに主治医の所見や診断書、保護者との面談記録などをセットにした個別対応マニュアルを整えるよう働きかけてまいります。