2.がん対策について
(5)がん対策推進条例(仮称)の制定を。

<質疑>
 県の「10か年戦略」を見ると、禁煙や運動、食生活の改善など、個人に対する呼びかけはあるものの、民間との協働という視点はない。米国では、がん対策の重要な部分を担う「がん協会」は民間組織であり、年間1,000億円を超える活動経費は、企業からの寄付、個人の献金で賄われているとのことである。
 がん対策には、多くの人とお金が必要であり、本県が「がん対策先進県」を目指すのであれば、これからは民間との協働は不可欠であるが、条例で県民等民間の役割を定めれば、活動の後ろ盾となり資金調達の根拠ともなる。




 そこで、知事にお伺いいたします。

 今後のがん対策を強力かつ長期的に推進するために、本県独自のがん対策推進のための条例を制定すべきと考えるが、所見を伺いたい。

<答弁> 松沢知事
 がん対策推進のための条例制定についてのお尋ねがございました。
議員お話のとおり、「がんへの挑戦・10か年戦略」の推進に当たりましては、民間との協働が不可欠であります。
 10か年戦略の基本方針の1つにも「県民の皆さんとともに進める取組み」を掲げており、県民の皆さんと行政ががん克服に向けた目標を共有しながら、取り組んで行くことが重要なことと考えております。
 こうしたことから、民間との協働を推進するに当たっては、条例化によって施策を推進するやり方もありますし、計画や事業を明確にすることで推進するやり方もございます。
 本県では、この10か年戦略に沿って、既にがん克服県民会議を設置し、がん予防やがん検診の受診促進に向けた活動を積極的に進めており、また、「がん医療と患者・家族を支援する会」やNPOなどの民間団体においても、シンポジウムの開催などがん患者と家族のための取組みが活発になされてきております。
 このように、本県においては、既に行政と連携を図りながら、民間によるがん克服のための活動が盛んに行われているところであり、今後、こうした民間の方々との協働した取組みも進め、民間の活動を支援するなど、10か年戦略の政策が確実に実現できるよう、最大限の努力をしてまいります。