視覚障害のある児童・生徒等の学びの充実に向けた支援機器等の活用について


<質問要旨>

 本県の県立特別支援学校視覚障害教育部門に在籍する児童・生徒等の障がいの状態は様々であり、全く視力のない全盲の方や、明暗の識別だけが可能な方、眼鏡等をかけても視力が十分でない弱視(ロービジョン)の方など、障がいの程度はそれぞれ異なると認識している。デジタル化した映像情報を網膜に直接投影する方法は、弱視の児童・生徒等に有効であり、網膜投影技術を用いれば、カメラで撮影した文章や景色をそのままの見え方で認識することができる。
 各学校には、一人ひとりの障害の程度に応じた指導を行うことが求められる中、支援のための教具や機器等に有力な選択肢が増えることは喜ばしく、積極的に活用していくことが大切であると考える。

 そこで、県立特別支援学校における、視覚障害のある児童・生徒等の学びの充実に向けた、学習支援のための教具や機器等の活用について、所見を伺いたい。


<答弁> 教育長

 視覚障害のある児童・生徒等が、自立して、生活していくためには、まずは、身の回りの具体的な物と、それを表す言葉とを自分の中で結び付け、正しく言葉を理解し、使用する力を身に付けることが必要です。
 そのため、県立特別支援学校では、視覚障害のある児童・生徒等が自分の聴覚や触覚、活用できる視覚などを用いて、こうした力を身に付ける学習を行っています。
 そして、こうした学習の際には、担当する教員が児童・生徒等一人ひとりの障害の状態や発達の段階を十分に考慮して、様々な教材・教具や、パソコン等の情報機器などを活用して指導することが重要です。
 そのため、視覚障害教育部門のある県立特別支援学校2校では、触って形を確認できる教材・教具や、文字の拡大ができるタブレット端末、点字入力が可能なパソコン等を活用し、指導に当たっています。
 こうした中、議員ご案内の機器は、文字や映像などが直接網膜に伝わることから、視力やピントに影響されることなく、はっきりと文字や映像を見ることができるものと伺っています。
 今年度、平盲学校の教職員が実際に、この機器を使用したところ、児童・生徒等の学習面での活用という点で、肯定的な意見が多くあったと報告を受けています。
 県教育委員会では、視覚障害のある児童・生徒等の学びの一層の充実を図っていくためには、新たに開発が進む様々な教材・教具や機器を積極的に活用していくことが重要と考えています。
 こうした観点から、議員ご案内の機器について、まずは学校で、実際の教育活動の中で試行的に活用し、児童・生徒等の学びへの効果等について、検証したいと考えております。