7月に県内で発生した豚熱については、県職員のほか、地元相模原市や関係団体の職員も含め、延べ3,500人以上が従事し、無事、防疫活動を終了させることができました。私も現場に行き、炎天下の中で、慣れない作業に全力投球している状況を目の当たりにしました。こうした現場で作業に携わった職員や関係者の皆様の体験を教訓として継承し、今後の豚熱発生に備えることが重要と考えています。
そこで、現場や県庁の本部など、各拠点で防疫活動に関わった職員から、対応の中で感じた課題や、今後に向けた対策などについて、意見を聴取しました。さらに、農林水産省や相模原市、建設業などの関係団体とも意見交換を行いました。
その結果、「初動時には情報連絡体制が機能せず、現場が混乱した」、「作業従事者の確保に苦労した」など、防疫体制に関する指摘や意見が寄せられました。そこで、現場と本部の役割分担や指揮命令系統の明確化、情報共有の徹底など、全庁による防疫体制を再構築し、マニュアルにも反映しました。そして、その実効性を高めるため、豚熱の発生を想定した情報受伝達訓練を、県職員はもとより、建設業などの関係団体にも参加いただき、実施する予定です。
また、防疫措置に必要な用地の確保が難航するとともに、豚の死体を運搬する車両や処理に必要な焼却施設の確保といった課題も明らかとなりました。そこで、市町村と連携し、必要な用地を事前に選定しておくとともに、廃棄物処理業及び輸送業など関係団体との防疫に関する協定の締結等、連携を強化していきます。
県としては、こうした取組を通じて豚熱対応の教訓を市町村や関係団体とも共有することで、円滑かつ迅速な防疫措置の実施に活かしてまいります。