新型コロナウイルス感染拡大で影響を受けた文化芸術への支援について


<質問要旨>

 予測もしてなかったコロナ禍の影響で、全都道府県に対して「緊急事態宣言」が発出され、外出の自粛が要請された。
 また、劇場、ホールなどにも休業要請が出され、県内各地で展開されるはずだった多くの文化・芸術関連のイベントなどが中止または延期を余儀なくされた。
 この結果、多くのアーティストの皆さんは、活動の場を奪われただけでなく、収入の道をも絶たれ、その生活の困窮の度合いは想像に難くなく、大変気の毒な状況に置かれているものと強く認識している。
 このままでは、アーティストの皆さんの経済的困窮は、彼らのその分野からの「離職」を促してしまい、社会から文化・芸術が消滅する流れにつながってしまう恐れがあるのではと危惧している。

 そこで、こうしたアーティストや文化芸術団体の現状を鑑み、県として、どのように文化芸術を支援していくのか、見解を伺いたい。

<答弁> 黒岩知事

 感染拡大防止のため、特に、3月以降、文化芸術関係の公演や関連イベントなどが軒並み中止・延期となりました。アーティストや文化芸術活動団体の方々にとっては、活動の場や収入が断たれ、非常に厳しい状況にあると認識しており、私も心を痛めています。
 こうした状況を少しでも打開するため、国の交付金や、感染拡大防止のために中止した県主催イベントの予算を活用し、文化芸術活動を支援する方策を、来年3月までの間、三つのステップで展開していきたいと考えています。
 一つ目のステップは、文化芸術発信の場の提供です。今月1日から開始した「バーチャル開放区」では、医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの皆様を「文化芸術の力」によって応援するため、文化芸術の全ての分野での動画を募集しています。これにより、アーティストには、インターネット上で音楽などの活動の場を提供するとともに、優秀作品には総額で100万円の賞金も贈呈します。
 二つ目のステップは、感染防止対策に対応した新しい文化芸術活動への支援です。劇場などにおいては、感染防止対策を行わなければならないため、場合によっては再開が困難となることも予測されます。そこで、文化芸術活動団体が感染防止対策を図りつつ、「新しい生活様式」の下で行うイベントの実施や作品の制作・発表に対する補助制度をつくることで、文化芸術活動の再開を後押ししていきたいと考えています。
 支援方策の三つ目のステップでは、一つ目・二つ目のステップで、これまでにない発想や表現手段により「新しい生活様式」に対応して行われた団体の取組を県主催事業にも積極的に取り入れるほか、様々な団体に働きかけるなど、普及を図っていきます。
 県は、神奈川の文化芸術の灯を消さないという強い気持ちを胸に、こうした様々な支援方策を通じて、文化芸術活動の再開に向けた後押しをしっかりと進めてまいります。