まず、マグカル事業における新しい才能の発掘や人材の育成に関する総括についてです。
これまで、県では、舞台芸術に取り組む若者を支援するため、県立青少年センターのホール等において「地劇ミュージカル」や「マグカルシアター」、「青少年のための芝居塾」などの事業を行い、発表の機会を提供するなど、新しい才能の発掘や人材の育成に努めてきました。
また、KAAT神奈川芸術劇場でも、優れた若手の演出家を登用し、創作に挑戦する場を提供するとともに、インターンシップによる現場実習を通じて、照明、音響など、高度な舞台技術の専門人材の育成に実績をあげてきました。
しかしながら、このような才能の発掘や人材の育成の取組は、まだ道半ばであり、大きな実を結ぶまで、ある程度の時間を要しますので、今後も腰を据えて継続的に取り組んでいきたいと考えています。
次に、人生100歳時代を見据えた草の根の文化芸術活動の取組についてです。
青少年センターがこれまで果たしてきた人材育成の機能を一層強化するため、今年度末までに、センターの多目的プラザをより演劇に適した施設とするよう改装し、来年度は、演劇団体が利用できる回数を大幅に増やすなど、引き続きしっかりと取り組んでいきます。
また、今年度から、県の重点施策である共生社会の実現とマグカルとをクロスさせ、誰もが参加できる舞台公演などの「共生共創事業」を開始いたしました。
今後、高齢者を主体とした演劇団体を県内複数の地域で育成するなど、地域に根づいた取組を一層速させていく予定です。それぞれの演劇団体が連携・協力し、相互に刺激し合うことで、活動が活発化するとともに、未病の改善にもつながることから、こうしたムーブメントを起こしていきたいと考えています。
東京2020大会を契機として、マグカルの取組を一層加速させていく必要があります。それを一過性のもので終わらせるのではなく、文化芸術に親しめる環境を整えながら、県民の皆様の身近な文化芸術活動の拡大に努めてまいります。