10.警察宿舎の再編整備計画について


<質問要旨>

 県内の警察宿舎を見ると老朽化が加速度的に進んでいる。現代のライフスタイルにあっていない手狭な宿舎は、入居率が年々低下し、歯抜けの状態が長く続いたため、設備に不具合が生じ、家族向けの宿舎約1300戸のうち、すでに380戸ほどが使用不能となっている。
 空き家だらけとなった宿舎は、近隣住民に不安を与えるだけでなく、警察本部が宿舎建設を推進する目的である有事の際の集団警察力の確保といった面からも、その目的が達成されないのではないか危惧するところである。
 民間資金を活用した新築整備とは別に、老朽宿舎の整理統合の必要性を感じる。

 そこで、老朽宿舎の対策と、現在進めている警察宿舎整備計画の進捗状況について伺いたい。

<答弁> 警察本部長

 現在、警察宿舎は、県内に世帯宿舎が57棟、独身寮が25棟ありますが、そのうち、昭和56年以前の築後35年以上を経過しているものは、世帯宿舎が42棟・899戸、独身寮が22棟・646戸あり、警察宿舎の多くが老朽・狭あい化し、耐震性も満たしていない現状にあります。
 築後35年以上経過している宿舎の約20パーセントが建物や設備の問題で居住に適さない状況であり、今後、築年数の経過とともに増加することが予想されます。
 県警察といたしましては、警察宿舎は有事に際しての集団警察力の確保と、職員の福利厚生の面から必要であると認識しております。
 そこで、県内各地にある老朽化し、入居率が低い宿舎の統廃合を積極的に推し進めているところであります。
 具体的には、県内を川崎、横浜、三浦、湘南、県西、県央の6ブロックに分け、それぞれ拠点となる警察宿舎を段階的に整備していく方針であります。
 その第1期として取り組んだ川崎地区につきましては、中原区と高津区内に、いわゆる神奈川PPP方式により世帯宿舎及び独身寮を整備いたしました。
 この手法は、民間資本を活用し、事業者に県有地を貸付け、入居者からの家賃収入及び事業者が運営する事業収入ですべてを賄いながら、県、事業者双方に有益性を持たせて入居率を確保していくという方法であります。
 建築後3年を経過しましたが、入居率は90パーセントを超える高水準で推移しています。
 現在、第2期として、平塚市龍城ケ丘宿舎敷地に平成32年度の完成を目指し、事業計画を本年1月に公表しております。
 引き続き、第1期及び第2期の宿舎再編整備計画の事業結果を検証しつつ、残り4ブロックについて、民間のノウハウや資金を活用しながら、着実に取り組んで参ります。



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