9.かながわ版ディザスターシティについて


<質問要旨>

 様々な災害が激化する中で、消防の救助部隊が、予め災害の種別に応じた活動技術を身に付けるためには、訓練を繰り返す必要がある。
 本県の消防学校には、様々な災害を想定した訓練場が整備されているものの、近年の自然災害に対応する訓練施設も必要である。
 平成28年第2回定例会一般質問において、消防学校のディザスターシティ化を図るべきとの質問に対し、知事から、消防学校の機能充実の検討を、ディザスターシティを参考に進めるとの答弁があった。
 また、県では、昨年4月から「かながわ消防」をスタートさせたが、神奈川県隊としての一体的な部隊運用能力を高める必要もある。

 そこで、多様な災害に対応するため、いわば「かながわ版ディザスターシティ」とも言うべき実践的な訓練施設の重要性がますます高まっていると思うが、消防学校の整備に当たっては、どのような考え方で取り組もうとしているのか伺いたい。


<答弁> 黒岩知事

 本県では、昨年4月に「かながわ消防」がスタートしたところですが、先週10日に、県内の消防本部が一堂に会する、初めての実動訓練を実施しました。
私も参加しましたが、組織や指揮命令系統が異なる中で、県内の全25消防本部による訓練が実施できたことは、画期的なことです。
 今後、災害が大規模化、多様化する中にあって、「かながわ消防」を、さらに充実強化していくためには、部隊の一体的運用の確立や、災害種別に応じた実践的消防技術の向上が必要です。
 そこで、「かながわ消防」の実践的トレーニングセンターとして、消防学校を整備する予算案を計上させていただきました。
 具体的な整備内容としては、地震等の災害に対応するため、様々なケースを想定した倒壊家屋を再現します。
 また、水害や土砂災害に対応するため、建物内が土砂で埋もれた状況や、大量の水が流入した建物、水没車両、こういったものも再現します。
 さらに、災害現場の状況を確認するドローンや、人命探索ロボットの実証研究を行います。
 また、「かながわ消防」として、部隊の一体的運用や、応援ヘリの受入れなどの訓練も充実します。
 こうした新たな訓練施設の他、地下街、トンネル、電車等の既存施設も併せて活用し、まさに、「かながわ版ディザスターシティ」とも言うべき、全国初の訓練拠点として、また、総面積8.1ヘクタール、これは東京ドーム1.7個分の広さですが、この国内最大級の施設として、整備を進めたいと考えています。



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