まず、伝統文化等を素材にした事業展開については、リ・古典プロジェクトにおいて、鎌倉武士ゆかりの能の「鉢木」を神奈川フィルの演奏で上演するなど、若い方や海外の方にも伝統芸能に親しみを持ってもらえるような工夫を図った取組みを、県内各地で行ってきました。来年度のリ・古典プロジェクトは小田原城址で開催予定であり、今後も、こうした取組みを拡充させていきます。
また、「ミュージカルあふれる神奈川」を進めるため、地域ゆかりの人物や歴史を題材にした地劇ミュージカルを、県民とプロが協働で、クオリティの高いものに作り上げていきたいと思います。
そして、そのような事業について、プロデュースや演出ができる人材の発掘や、新たなムーブメントを巻き起こす人材の育成は大切です。
例えば、今年度のリ・古典プロジェクトの演出をした杉原邦生さんは、パリでも公演を行ったほか、市川猿之助さんのスーパー歌舞伎「ワンピース」の演出助手も務めた本県出身の33歳、若手演出家です。このような人材を発掘、育成するため、県では青少年センターを無料で開放して上演する機会を提供することで、制作や演出に関わる人材を育て、その中で優秀な作品は神奈川芸術劇場でも上演しています。
また、神奈川芸術劇場では、来年度、芸術監督に就任する白井晃さんが、演出家等をめざす若者を対象に作品創造のプロセスを学ばせる講座を開設する予定です。このように、今後も継続的に、文化芸術事業を担う様々な人材の発掘、育成に力を入れてまいります。