4.高齢者のための住宅供給について


 <質問>
 県土整備局と保健福祉局の共管のもとに策定が進められている高齢者居住安定確保計画の取組の一つに民間賃貸住宅の活用による高齢者向け住宅の供給促進がある。
 高齢者向け県営住宅の応募状況は、高齢者夫婦向け住宅が27.3倍、高齢者単身向け住宅では112倍と依然として超高倍率で、抽選に外れた高齢者の多くが家賃の高い民間賃貸住宅に住んでいる。特に国民年金を主な収入源にしている所得水準が低い高齢者の中には、高額の家賃負担が家計を圧迫し生活が立ち行かなくなっている人もおり、こうした低所得の高齢者対策は喫緊の課題である。
 また、民間賃貸住宅の供給に当たっては、公営住宅に準じた低廉な家賃と居室面積等一定の居住水準を満たした住居の供給が必要であると考える。
 そこで、公営住宅と比べ家賃が高額となる民間賃貸住宅を、一定の居住水準を保ちながら、所得の低い高齢者世帯に供給する場合、どのような政策をもって家賃を抑制していくのか、所見を伺いたい。


 <答弁> 松沢知事
 高齢者のための住宅供給について、お尋ねがございました。
 本県においては、主たる生計者が高齢者で、民間賃貸住宅に住む世帯は10万4千世帯ございますが、その約47%が年収200万円未満であることから、所得水準の低い高齢者世帯への対応が重要であると認識しています。
 そこで、こうした世帯への家賃を抑制するため、良質な高齢者向け賃貸住宅を供給する民間事業者に対し、建設費と家賃の一部を国と地方自治体が助成する高齢者向け優良賃貸住宅制度を活用してまいりました。
 具体的には、県が、平成13年度から15年度にかけ、モデル事業として9団地259戸を供給しました。これを契機として、横浜市、川崎市、横須賀市が供給を開始し、現在までに、3市で48団地1,369戸が供給されましたが、まだ、市町村での本格的な普及には至っておりません。
 その理由としましては、家賃助成が長期にわたるため、財政的負担が大きくなることや、専門的職員の少ない市町村においては、この制度を活用するための各種基準づくりなどが負担となることがあげられます。
 そこで、県としては、今後とも、この制度の拡充を国へ強く要請するとともに、県と県内すべての市町村等で構成する神奈川県公共住宅供給推進協議会の場を活用して、技術的支援を行うなど、この制度をさらに広めていくために、より一層力を注いでまいります。