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これがバイオガスを使ったコジェネレーション発電設備だ
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この農場がエコファームと呼ばれる理由のひとつが、バイオマスを利用したコジェネレーション発電機を備えていることだ。牛や豚の糞尿は自動的にピットに落としこまれ、BIOGAS(ビオガス=バイオガス)プラントのサイロに送られる。ここで、発酵が行なわれるわけだが、それを助けるバクテリアは牛の胃袋の中にいるのと同じものだ。温度は38°Cに保たれている。これも、牛の体温と同じ温度だ。
バイオガスのコジェネレーション設備というものをはじめて見た。大きい。サイロの高さは6m、容積は600m³。バイオガスを燃料にする発電機は60kwが2基。電気は自家消費だけでは余るので、電力会社に売っている。
発電で生じる熱はお湯にして暖房などに使う。100kwの電気を作るとき、200kw分の温水ができる。自動車のエンジンがパワーを作るとき、エネルギーの3分の1は動力として生かされるが、3分の2は熱になるというのと同じ法則である。
また、発酵後の糞尿残渣からは良質の有機肥料も取れる。残渣からは糞尿の臭いがほとんど消えている。強いていえば、土の匂いがするらしい。それを牧草地に撒けば、安全で清潔な肥料になる。撒いた直後でも、牛は違和感なく草を食べるそうだ。
Müller Hofでは、施設内で使うエネルギーのすべてを、自分たちでまかなっている。ディーゼルエンジンを回しているのは、<SWEG>の項で紹介した菜種油だが、その原料である菜の花は、仲間の畑で栽培してもらっている。