<海外県政調査の報告>調査の記録

7.環境税の大義はどこに。(2)

Südwestdeutschen Verkehrs-Aktiengesellschaft
Rheinstr.8, 77933 Lahr
Tel:07821/270211 Fax:07821/270266
Mr.Hans Joachim Disch

バスや電車の燃料税を安く
菜種油燃料を味見
「私たちの会社は、今年(2004年)、4〜5%の増収となる見込みだが、これは駅を増やすなど利用者の利便性を図った結果であり、環境税とは関係がないと考えています。もしくは、今年になって、燃料の価格が14%も上昇したので、その結果、公共交通への乗り換えが進んだのかもしれない。税収は二の次、本気で環境を考えるなら、公共交通の燃料にかかる税金を大幅に下げることです。
 飛行機のジェット燃料であるケロシンは無税なのに、なぜ、バスや鉄道の燃料は税が減免されないのか。燃料の税金が下がれば、もっと安い運賃で乗ってもらえるでしょう。フランス企業との相互乗り入れも行なっているが、今後、環境税の負荷が競争力に影響しないか心配です。
(環境税が施行されてからの)この3年間は、空白の3年間でした。企業にとっては、何の意味もない3年間。単純な増税のほうがマシだったと思います」

窓にまで貼られたラッピング広告だが、車内からの視界は妨げない
 話を聞いたあと、バスの車庫と整備工場を見せてもらった。この会社で使用しているディーゼル燃料は、硫黄分を低く抑えた軽油だ。週に3万リットルを消費する。軽油は、小売価格の約6割が税金である。
 また、エコロジーのために、4台の天然ガス燃料のバスと、2台のバイオディーゼル・バスを試験運行している。バイオディーゼルの燃料は菜種油だ。舐めてみたが、本当にサラダオイルの味。この低公害燃料には今のところ環境税がかけられていないが、それも2008年までだ。その後のメリットがどうなるか、今はわからない。