景色は大きな観光資源である。雄大な大自然はもちろんのこと、人間がつくりあげた街並みや田園も多くの人々を惹きつけてやまない。ザスバッハヴァルデンも、家並みや森林、畑など人工の景観が、村の最大の資産になっている。
この点については、最終章
「3.所見または提言……あとがきにかえて」において詳述したい。
翌朝になっても、雲は低く垂れ込めていた。もっと、この村の風景や空気を味わい、さまざまなことを知りたかったが、朝10時までにLahr(ラール)市の視察先に到着しなければならない。後ろ髪を引かれる思いで、さくらんぼ畑の続く道を南に向かって走った。