建設常任委員会で意見を述べました
(3月16日)

 公明党として、本委員会に付託された諸議案に対し賛成することを表明いたしまして、その上で、今定例会での質疑をもとに何点か意見を申し述べます。

 <公共交通の充実・確保>

 はじめに、公共交通の充実・確保等を図る施策について申し上げます。本格的な高齢社会を迎える中で、日常生活を支える移動手段の確保は、これまでにも増して重要になってきております。自治体が直接、コミュニティバスの運行に関わるケースもあれば、交通事業者の事業に対し赤字を補てんする方法を取る場合もあります。また、NPOや地域住民が自らの生活の足を確保するために乗合自動車を運行する、いわば、住民の、住民による、住民のためのバス事業も各地で芽を出しつつあります。

 地域公共交通の確保に向けては、市町村や地域住民が、地域の実情に応じた取組みができるよう、県として必要な支援を行っていただきたいと思います。その際は、国内外の様々な事例を調査・研究し、市町村、NPO等にその情報を積極的に提供すること、市町村に対し、地域の交通事業者との連携・調整を支援すること、また、NPOや地域住民による乗合自動車の運行が自主事業として成立することは、自治体の財政負担の軽減にもつながることから、その担い手を育成することなどを求めておきたいと思います。
 そうした意味からも、平成19年度から始まった地域公共交通創出モデル事業は、本年度をもって期間が満了となりますが、引き続き同様の取組みが続くよう県として努力すべきと考えます。

 <公営住宅の管理>

 次に、的確な公営住宅の整備管理について申し上げます。
 県営住宅の半数を超える建物が、建築後40年以上経過しており、傷みが目立ったり、間取りが今のライフスタイルに合わなくなってきたりといった不都合が出てきています。建て替えは有効な対策の一つですが、低廉な家賃が維持しにくくなるという側面もあることを考えると、トータルリモデルなど、本格的な修繕により建物の長寿命化を図ることにも力を入れていただきたいと思います。また、ライフサイクルコストを低減しつつ、長寿命化を図るためには、中長期の修繕計画を立て、それに基づいて建物を傷みから守っていくことが不可欠と考えます。ぜひ、そうした視点をもって。入居者が安心して快適に暮らせる住環境をつくるとともに、県の財産である住宅団地の資産価値の保全を図っていただくよう要望いたします。

 次に、県営住宅の駐車場についてです。県営住宅団地の建替えに対しては、地元市の駐車場付置義務条例等で、住宅戸数に対し一定割合の設置が義務付けられています。若い世代が多く入居する分譲マンション等には有効かもしれませんが、高齢化が著しい県営住宅でそのような駐車場整備を続けて行けば、いまでも問題となっている県営住宅の空き駐車場がますます増えていくことは明らかです。市には市の方針があることは理解しますが、利用の見込みの薄いところまで整備を義務付けることについては、各市に対し、実情を伝えるとともに、扱いを改めるよう働きかけていただくことをお願いいたします。

 <住宅供給公社の民営化>

 神奈川県住宅供給公社の民営化については、現状では株式会社化への道のりは相当に険しいものがあると考えております。そうした中で、住宅資産は公社に残したまま、事業運営権を新たな民営会社に移管する「コンセッション方式」が、株式会社化に代わる民営化手法のひとつとして浮上しつつあると仄聞しております。株式会社化するにせよ、他の方法を取るにせよ、公社の民営化の検討にあたっては、県と公社がしっかりと連携し、新たな県民負担の軽減と、居住の安定の確保を第一に考えていただきたいと思います。

 <居住コミュニテイの再生>

 次に、県では平成24年度、居住コミュニテイの創出・再生をめざして、「多世代近居の街づくり」を進めるとしております。多世代近居の成否は、偏に若い世代をいかにして呼び込むかに懸かっていると言っても過言ではありません。県は横浜の洋光台地区等においてモデル事業を実施するにあたり、都市再生機構と包括連携協定を締結したとのことですので、ぜひ、URの成功事例なども参考にしながら、ソーシャルミックスの神奈川モデルを作っていただきたいと思います。