機械でできること、できないこと。
  
高齢者見守り支援システムで新しい社会づくりを応援
(1月26日)
森下准教授から、本システムのコンセプトなどを聴く。

 高齢者の暮らしを見守るしくみづくりについて、さまざまな提案をしてきた私たちが、いま注目をしている取組みがある。それが、桐蔭横浜大学の森下武志准教授による「単居高齢世帯支援システムと人と人とをつなぐ地域社会づくりをめざした実証実験」だ。
 基本は、台所のシンクに水を流したときなどに生じる生活振動が一定時間途絶えると、関係者にメールが発信され、非常灯が点滅するという見守りセンサーシステムだが、森下准教授は「これですべてを解決しようというわけではなく、新しいものが入り込むことによって、人と人がお互いに気にしあう意識が生まれることを期待している」と言う。
 最終ゴールは、あくまで人と人がつながる地域コミュニティの形成。だから、見守りセンサーシステムも、最もシンプルな基本モデルで機能することを理想としている。
 現在は既製のパーツを集めて製作しているので1戸あたり15,000円〜25,000円ほどかかってしまうが、量産すればコストダウンは可能だ。システムが普及すれば「福祉の現場で活動する方々の支援や雇用の増進につながる」(森下准教授)ことも期待できそうだ。

非常時に点滅するライト。システム開発に際しては低コスト、使いやすさ、実現性を重視した。
外出時にはカードを抜いておけばセンサーは作動しない。