視覚に障がいのある生徒の高校での学習環境を保証するためには、授業で使う教科書や副教材などを、一人ひとりの生徒に合わせて、活用しやすくするといった配慮が必要です。
しかし、議員お話の教科書会社が発行している高校の拡大教科書は、ごく一部の教科・科目しかなく、また価格が高額であることなどから、現在、県立高校に在籍している、視覚に障がいのある生徒の使用例はありません。
そうした生徒のいる高校においては、生徒一人ひとりの障がいの状況に応じて、教科書などの教材について、学校が拡大して印刷したものを用意するなど支援策を講じています。
また、改正された学校教育法により、今年度から、紙の教科書の内容をデジタル化し、タブレットやパソコンなどでみることができる「デジタル教科書」の使用が認められました。
「デジタル教科書」は、音声読み上げや拡大などの機能を持っており、高校用のものは来年度から発行され、今後、順次普及していくものと思われます。
高校は、入学者選抜に合格し、入学を許可した生徒に対しては、その学習環境を整えていく責任があります。
今後、県教育委員会は、こうした基本的な考え方を踏まえ、デジタル教科書のような新たな技術の活用や、特別支援学校の教員から、高校が専門的な助言を受ける仕組みの整備を進めるなど、生徒一人ひとりの障がいの状態に応じた、より適切な学習環境の確保に、取り組んでまいります。