KISTECは、KASTの研究成果と産業技術センターの技術支援の知見等を活かし、より一層の産業振興を図ることを目的として両機関を統合し、平成29年度に設立されました。
KASTは光触媒の研究などで卓越した実績を上げ、世界にも通用するブランド力を持っていましたが、KISTECもそれに勝るとも劣らない実績を上げています。
例えば、研究開発に関する学会発表は平成30年度に374件、論文等掲載件数は115件で、いずれも、統合前の5年間の平均を上回っております。
また、大学等の有望な研究シーズの事業化を目指す「プロジェクト研究」の件数も、現在16件と、統合前の12件を上回っています。
さらに、研究内容も進展しており、新たに、血液や尿から癌の診断マーカーを簡便に探知する技術の開発にも成功し、メディアに取り上げられました。
加えて、「貼るだけ人工すい臓」や「大量毛髪再生」の研究も、文部科学省の支援を獲得し、現在、ベンチャーの設立も視野に、研究が進められています。
こうした研究開発をさらに推進していくためには、引き続き、優れた研究者と、研究財源を確保することが必要です。
そこで、今後も着実にKISTECの研究成果を積み上げ、学会やフォーラムなどで積極的に発表することにより、研究機関としての認知度をより向上させ、優秀な人材確保につなげてまいります。
また、公募型の競争的資金に関する情報を積極的に収集するとともに、先進的な研究計画を立案し、継続的な外部資金の獲得を図ってまいります。
このように、優れた研究が人材と資金を呼び込み、更に優れた研究成果を上げていく好循環を作り、KISTECが世界的なブランド力を保てるよう、県も協力して取り組んでまいります。