アレルギー疾患は、花粉症やぜんそく、食物アレルギーなど多岐にわたり、現在では、全人口の約2人に1人が罹患していると言われています。
また、「アナフィラキシー」という急激な全身症状がでると、重篤な場合は生死にもかかわります。
患者数は全国的に増加傾向にあり、国ではアレルギーに苦しむ方が地域で安心して生活できるよう、昨年12月に「アレルギー疾患対策基本法」を施行しました。
本県ではこれまで、国のアレルギー疾患対策の中核を担う国立相模原病院や、世界トップクラスのアレルギー研究機関である理化学研究所などの国内最高レベルの専門機関をメンバーとする検討会を設置し、取組みの充実を図ってきました。
まず医療提供体制の充実に向け、地域においてアレルギー疾患に対する専門的な治療が可能な医療機関を、現在までに34施設指定しています。
また、アナフィラキシー発症時の緊急時対応のため、学校、保育関係者、消防士等を対象とした、研修機会を拡大し、調布市の事故のあった平成24年度には約1,200人であった参加者が、平成27年度には約2,000人となりました。
しかし、患者が安心して生活するためには、より身近な地域での医療提供・相談体制の確保や、関係機関相互の連携による、緊急時体制の構築など、更なる取組みの充実が必要です。
そこで、来年度中をめどに、施策の方向性を明記した「アレルギー疾患対策推進計画」を策定し、専門医療機関や研究機関が集積する本県の特徴を生かし、課題解決に向けた取組みを進めていきます。
今後もアレルギー疾患に苦しむ方が、地域で安心して暮らせる神奈川を目指し、より一層の取組みの充実を図ってまいります。