1.財政問題について


<質疑>
 平成22年度当初予算案を発表した翌朝の各紙の報道では、県債発行額が過去最大の3,436億円、残高も過去最高の3兆3,533億円に膨らんだことが大きく取り上げられた。
 3,436億円も県債を発行すれば、環境農政局の予算にも匹敵するような予算が毎年、借金の返済に使われることとなり、その分、他の施策を圧迫していく。そこで、有効活用できないかと考えるのが、県債管理基金である。借替えのタイミングで、計画的に借替債を抑制したり、基金の運用を、県債の借入金利に近づけるといった努力を怠ってはならない。
 22年度当初予算では、県債発行額、県債依存度、県債残高とも、過去最高を記録したが、このままでは、将来の子や孫の世代に大きな禍根を残すことにもなりかねない。本県独自の取組みとして、残高及び利子負担の減少に向けて、どう取り組まれていくのか、所見を伺いたい。


<答弁> 松沢知事
 県債残高及び利子負担の減少に向けた取組についてお尋ねをいただきました。
 本県の財政運営は、多額の県債の発行により公債費が大幅に増加しますので、今後一層厳しさが増してまいります。したがいまして、議員お話しのとおり、県債残高や利子負担を減らす取組は、ますます重要となってまいります。
 県債残高の減少に向けましては、昨年10月に策定した「県庁改革基本方針」にございますとおり、臨時財政対策債等特例的な県債を除いた、通常の県債の残高を着実に減らすため、新規発行額を抑制していくこととしております。
 22年度当初予算では、この方針により、通常の県債の残高が減少する見通しになったところであり、今後もこの方針に沿って取組を進めてまいります。
 なお、議員お話しにありました借替債の抑制や繰上げ償還につきましては、一般財源が必要となりますので、本県の現在の財政状況では、実施は難しいものと考えております。

 次に、利子負担の軽減についてでありますが、金利を低く抑えるためには、投資家の皆さんからの、本県債への信用を高める必要があります。
 現在、本県では投資家説明会など積極的なIR活動を行い、東京都に次ぐ低い金利を維持しておりますが、今後も、こうした活動とともに、投資家の皆さんの運用ニーズを十分踏まえた起債運営に努め、有利な発行条件を維持してまいります。
 また、県債の償還方式につきましても、現在は、利子負担が一定の満期一括償還方式が中心となっておりますが、利子負担の軽減を図るため、元利償還方式による発行の拡大も順次行っております。
 さらに、県債管理基金の運用につきましては、資金の安全性に配慮しつつ、銀行預金よりも有利な国債などの債券でも運用しております。
 今後もこうした取組をしっかりと行ってまいりますが、抜本的には臨時財政対策債の地方交付税への復元と地方税財源の充実が必要であります。地方税財政制度の抜本的な改革に向け、他県とも連携をしながら国に対して強力に働きかけてまいります。