1.生活支援ロボットの普及・定着について


<質問要旨>

 「さがみロボット産業特区」では、様々な生活支援ロボットの開発や実証実験が行われており、こうした取組が今後も精力的に展開されていくことを期待するが、開発した生活支援ロボットを、商品として市場に出すには、ユーザーである県民が、その有用性を理解し、それぞれの生活に積極的に導入していく気運や環境をつくっていくことが重要である。
 県も、特区内の地域のイベント等に参加し、「さがみロボット産業特区」の取組の紹介とともに、生活支援ロボットの体験機会を積極的に設けていることは承知しているが、さらに多くの方々に、日常生活の中へロボットが溶け込むイメージを持ってもらうことが必要である。

 そこで、生活支援ロボットの普及・定着に向け、県民の日常生活における利活用を促進するための取組を充実・強化していくべきと考えるが、所見を伺いたい。


<答弁> 黒岩知事

 「さがみロボット産業特区」が目指す「生活支援ロボットの実用化を通じた安全・安心の実現」のためには、大きく3つの観点から取組を進めていくことが大切と考えています。
 一つ目は、実証実験と改良の積み重ねによる、技術の向上です。二つ目は、生活支援ロボットの安全性や利便性が、広く認められることです。そして、三つ目は、実際に使用する県民の、生活の中に受け入れられることです。
 今後、実用化していくためには、多くの方が試乗し、その安全性などについて理解を深めていただくことが大切です。
また、技術の進歩に合わせた社会のルールについても議論を重ね、合意形成を図りながら県民生活の中に受け入れられていくことが必要と考えています。
 このことは、他の生活支援ロボットにも当てはまる、共通の課題です。県民がロボットの安全性や利便性を確認し、生活の中で実際に体験できる場を、積極的に用意していく必要があります。
 そこで、今後は、介護や高齢者見守りロボットなどを、実際の利用場所である住宅等に配置し、多くの方にロボットのある暮らしを体験してもらえる、ロボットハウスの整備を検討していきます。
 また、巡回警備や移動支援などを行うロボットの体験機会を「まち全体」で提供する、いわゆるロボットタウンについても、合わせて検討していきたいと考えています。
 さらに、多くの方に関心を持っていただけるよう、インターネット上の動画などを活用し、バーチャルで生活支援ロボットを体験してもらうなどの工夫も凝らしていきます。
 こうした取組を通じて、多くの県民の方に、「さがみロボット産業特区」が提案する、ロボットとくらす、ロボットに支えられる新たなライフスタイルを理解していただき、生活支援ロボットの更なる普及・定着を促進してまいります。


<要望>
 生活支援ロボットの普及啓発については、将来を見据えた積極的な答弁であり、ありがとうございました。
 介護ロボットなどは施設を活用して実証実験を行っていくとのことですが、一般家庭で利用することを想定しているものもあり、私が見せていただいた排泄支援などは、実際に当事者が使ってみないと分からないという要素もあります。家庭で使うようなものは、家庭の中で魅力を知っていただけるような、そうした取組もお考えいただけないかと思います。自治体によっては、企業の協力を得て貸出やモニタリングのようなことに取り組んでいるところもあるようですので、ご検討いただければと思います。
 また、ロボットタウン、ロボットハウスについては、地元の市町の協力、あるいは民間の力が必要だと思いますので、知事がしっかりと先頭に立って旗振りをしていただいて、賛同してくれる方を集めていただきたいと思います。