2.がん対策について
(3)さらなる「がん登録」推進のために必要なこと。

<質疑>
 本県は、「地域がん登録」を昭和45年から実施しており、登録の件数、精度ともに先進県の地位を築いているが、現状を見ると、がん診療連携拠点病院を中心に「院内がん登録」が進む一方で、中小規模の病院は「院内がん登録」どころか、県に「地域がん登録」の登録票も提出できないところも多い。
 そのため、県立がんセンターの職員が医療機関に直接出向き、出張採録を年間6,000件以上も行っているが、「院内がん登録」の実施機関数を増やし、そのデータを「地域がん登録」に提供してもらうということにより、精度の飛躍的な向上を期待したい。




 そこで、知事にお伺いいたします。

 「地域がん登録」の精度向上のため、拠点病院以外の医療機関に対し、登録についての普及啓発を図るほか、担当者育成のための研修を実施すべきと考えるが、所見を伺いたい。

<答弁> 松沢知事
 地域がん登録の推進についてのお尋ねがございました。
 地域がん登録は各医療機関から届けられた、がんの診療から治療の経過などの患者さんの記録を県において、集計、分析するもので、がんの発生状況や治 療成績などを正確に把握し、がん対策を進める上で重要な取組みであります。
 本県では、全国に先駆けて昭和45年から県内の医療機関の協力を得て精度の高いがん登録を実施し、平成16年度からは国のがん登録の向上に向けたモデル事業に選ばれ、その精度の高さが高く評価されたところでございます。
 しかし、がん登録にあたっては、本来、全国統一の仕組みにより、県外で治療を受けたがん患者さんの記録を含めて把握することが、望ましいものでありますし、また、個々の病院レベルでは、がん登録に協力する医師等の負担が大きいなど、様々な課題もございます。
 こうしたことから、本県では、がん登録の全国統一の制度化に向けて、10か年戦略の策定を契機に国へ働きかけてきたところであり、今後も、このような働きかけを続けて参ります。併せて、医療機関のご協力をいただけるよう、がん登録の必要性の啓発や担当者を対象とした研修など、がん登録の人材育成を進めることにより、引き続きがん登録に鋭意取組んで参ります。