昨日はSWEG(南西ドイツ交通株式会社)で、環境税に対する厳しい意見を聞いた。翻って本日は、環境税導入の旗振り役を果たした「緑の党」(Die Grünen)の議員に、新税の意義などについて聴取する。バーデン・ヴュルテンベルク州議会議員、Dr.Walter Witzelをフライブルク市の事務所に訪ねた。
フライブルクはシュヴァルツヴァルト(黒い森)の南部に位置する、人口20万人ほどの都市。フランス、スイスの国境は目と鼻の先だ。
市街地の南側を流れるドライザム川に沿って、市の中心部に入る。川の水は澄んでいて、川岸には木々が茂り、木立を縫うようにサイクリングロードが走っている。
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フライブルク市街に入って行く
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事務所は閑静な住宅街の中にある
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フライブルクにせよ、カールスルーエにせよ、明日訪れるハイデルベルクにせよ、日本の基準で見れば、人口十何万とか二十何万とかの地方都市が、ドイツではキリッと“立って”いるのである。ドイツでは「地方分権」という言葉がない、と聞いたことがある。中央集権がなければ、地方分権という概念も生まれない。ひとつひとつの都市が、“一国一城”なのだ。
フライブルクは、「キリスト教世界で最も美しい塔」をもつ大聖堂で知られるが、1457年創立という歴史を誇る「フライブルク総合大学」も、レベルの高い医学部や法学部、森林や環境に関する専門学部などが、世界各国から優秀な学生を集めている。また、「フライブルク音楽大学」も世界的に評価が高く、日本からの留学生も多く学んでいるという。そして、なにより最近では、さまざまな環境政策を成功させた町として、世界中にその名を馳せているところである。
Witzel氏は1992年から州議会議員を務め、経済・エネルギー・環境の専門家として活動を続けてきた。連立与党の一角を占める「緑の党」の環境政策担当として、環境税導入にも主導的な役割を果たしている。話を聞こう。