2月19日

「住民本位とは何か」

 以前より住民の皆さまからご要望をいただいていた権太坂地内の交通安全対策について、保土ヶ谷警察署交通課の尾上警部補同行のもと、現地調査をいたしました。

 権太坂三丁目3番地にコスモ保土ヶ谷というマンションがあります。その前のバス通りには、ほぼ辻ごとに横断歩道が設置されているのですが、そのマンションの西側の十字路には横断歩道がなく、住民は横断歩道のあるところまで行ってバス通りを渡らなくてはなりません。しかし、もともとバス通りは道幅が狭く、その南側(コスモ保土ヶ谷側)には歩道がありません。その上、交通量が多く、隣接する横断歩道に行くのですら命がけです。
 マンションの西側十字路に横断歩道が新設されれば、そこでバス通りを渡ることができる。向こう側に渡れれば、歩道も付いている。ということで、横断歩道の新設が可能かどうかを調べてもらいました。結果は残念ながら不可。バス通りが坂道でカーブしているため、特に坂下(国道1号方面)から上がってくる車からは、横断歩行者が発見しにくいのです。
 また、マンションと反対側からバス通りを渡ろうとすると、坂を下ってくる車のスピードが上がっているため、路肩に立っているだけで恐怖心を覚えます。横断歩道があったとしても、安全に渡らせることは難しいのではないかということでした。
 私自身、その結論については、やむをえないと思います。では、どうすればよいのか。仮にマンションの土地のバス通り側を歩道分ぐらい横浜市に差し出せば、市はそこに歩道を作ってくれるのかという話も出てきました。今後は、マンション住民、近隣住民の皆さまにもご議論をいただくと同時に、行政に対して、どのような善処の方法があるのかを問うていくつもりです。

 また、権太坂三丁目4番地、5番地、11番地、13番地が向き合う十字路は、死亡事故が起きたこともあり、改善を求める声が多く上がっていますが、警察は「信号以外、考えられるものはすべて付けている。あとはドライバーのモラルに委ねるしかない」という判断です。
 当日も、警察官と一緒にしばらくの間、現場を通過する車の様子を窺っていました。すると、驚くべき事実が!
 見通しが悪いためにカーブミラーの付いている交差点なのですが、「とまれ」の表示のないほうの道路を走るドライバー&ライダーのほとんどがカーブミラーをちらりとも見ず、スピードも落とさず通過していきます。一旦スピードを落として安全を確認する人は、10人に1人〜2人ぐらいでしょうか。
 皆さん、いい度胸していらっしゃいます。私も年中、使う道ですが、さすがに安全確認をせずに突っ込んでゆく勇気はありません。スクーターのときなどは、ほぼ一時停止と同じぐらいまで速度を落として左右を確認します。たとえ、こちらに一時停止の義務はなくても、当てられて痛い思いをするのは自分ですから。警察には、運転者に一層の注意を喚起するために、“一つ目小僧”風の点滅信号が付けられないか打診しています。
 同じく、権太坂三丁目の2番地、3番地、4番地、5番地が向き合う十字路も、通学路になっているので横断歩道を設置できないかというお話があり、その場で警察官に測量してもらいました。今後、PTAの皆さん等のお声を伺った上で、設置に向け努力をしてまいりたいと考えています。
ここが、死亡事故のあった交差点。向こうの坂が、以前はもっと急だったよう気がします。自転車で下ってくる子どもが、ちゃんと止まれないことがありました。左右に走る道には「止まれ」の表示がないため、ほとんどの運転者が左右の確認もせずに通過していきます。警察官に確認したところ、このように見通しの悪い交差点には「優先道路」という決まりはなく、双方に安全確認の責任があるそうです。
ここは通学路になっていて、子どもたちが縦方向に道を渡ります。警察官が立っている側に横断歩道がほしいという声が上がっています。

この位置から後ずさりして十字路から離れると、そこに交差点があるとは、まず気付かない。で、接触事故が起こります。この交差点が民有地にあるため、交差点表示が描けない。ほかでもない、市民の安全のためなのですから、警察と役所が協力して土地の所有者に働きかけ、横浜市道に移管するべきです。
 もう1ヶ所は、権太坂二丁目19番地前の十字路。旧東海道のセザールマンションの向かいの道を、先ほどのバス通りに向かって少し下った所です。
 権太坂二丁目一帯小さな十字路やT字路が多く、路面には交差点であることを示す白いペイント(十字型とかT字型の)が施されているのですが、件の19番地前の十字路にはそれがありません。調べてみると、そこだけがなぜか、市道移管の済んでいない私有地のようなのです。それで、役所も警察も手が出せないのだと。しかし、交差点になっていることがわかりにくいために、そこではこの2年間だけでも3件の衝突事故が起きています。
 「私有地だから手の打ちようがない」は役所の理屈です。現実に事故が多発しているわけですから、市が積極的に市道移管を持ちかけるなりの対応をすることが「住民本位の行政」であると思うのですが、いかがでしょう。