児童相談所が行う一時保護の期間は、原則2か月以内と法で規定されていますが、令和3年度に県所管の一時保護所に保護された子どもの約15%が、2か月を超える状況にあります。
一時保護が長期化する理由は、時間をかけて親子関係の修復を図っている、あるいは、児童養護施設等の受入体制が整うのを待っているなど、様々です。
一時保護所で生活する子どもの8割以上が、親からの虐待を理由に入所しており、虐待の影響から、心のケアを必要とする子どもが多くなっています。
また、一時保護所での生活は、虐待した親との接触を避けるため、自由に外出することが難しいなど制約も多く、加えて毎日のように、子どもの入所・退所があるためメンバーが固定されず、子どもにとって落ち着かない生活環境になりがちです。
こうした特殊な環境下で生活する中で、とりわけ保護が長期化している子どもたちは、心身へのストレスが高まっているのが現状です。
そこで、県では、児童心理司が子ども一人ひとりに、定期的なカウンセリングを実施し、心に負った傷の回復に努めています。
また、本人が希望し、かつ安全面で問題がなければ、遠足や運動会など学校行事へ参加したり、通学できるように配慮するなど、ストレスの軽減を図っています。
さらに、来年4月施行の改正児童福祉法では、一時保護所や児童養護施設等に入所している子どもの意見表明を支援することが求められています。
そこで、今後は、弁護士などと連携しながら、子どもの抱える悩みなどを丁寧に聞き取り、より一層きめ細かな支援に生かしていくことを検討していきます。
県は、一時保護所で生活する子ども一人ひとりの目線に立ち、寄り添って支援していくことで、子どもたちの不安やストレスの軽減につなげてまいります。