新型コロナ禍を克服するためのSDGsの推進について


<質問要旨>

 新型コロナウイルスの感染拡大は、SDGsが謳う持続可能な世界の建設にとって大きな脅威となっている。
 今後、アフリカなど発展途上地域への蔓延拡大が懸念されており、経済格差が「いのち」の格差にも直結しかねないことを危惧している。
 こうした地域に対し貢献・協力できることを考えていくべきである。
 また、SDGsにおいても、データを駆使したデジタルトランスフォーメーション(DX)の取組が始まっている。
 多くの県民や企業が、新型コロナ禍がもたらした困難と闘っている中、SDGsが可能とするあらゆる社会の変革を指し示してゆくことが、SDGsのより深い理解と「自分ごと化」を促すと考えている。

 そこで、「ウィズコロナ時代」にあって、持続可能な新しい社会を築くために、どのようにSDGsの達成に向けた行動を呼びかけ、後押ししようと考えているのか、見解を伺いたい。

<答弁> 黒岩知事

 ウィズコロナの時代にあたっては、感染症拡大防止と社会経済活動の復興をどのように両立させて、「持続可能な社会」を作っていくかが重要であり、これはSDGsが目指す社会と重なります。
 今回の緊急事態では、外出自粛による影響が社会的な問題となりましたが、SDGsの自分事化を通じて、こうした課題を解決していくことが必要です。
 そこで、県では、「SDGsアクションで新型コロナウイルス感染症を乗り越えよう」という特設ホームページを設け、新たにデリバリーに取り組む飲食店の応援やオンラインによる子どもの居場所づくりなどの活動を広く紹介しました。
これに対して、4万件を超えるアクセスとともに、「掲載が励みになった」「自分の地域でも取り組んでみよう」といった声を多くいただきました。
一方、世界に目を向けると、国連では、パンデミックが続く中、「今こそ、まさに、誰一人取り残さないという約束を果たすべき緊急事態だ」として、SDGs達成に向けて、直ちに行動を起こすべきと強く訴えています。
 そこで、県では国連開発計画・UNDPと連携し、来年3月に開催予定の「SDGsアクションフェスティバル」において、AI・ビッグデータなども活用したイノベーションによる新たな社会経済モデルを議論するとともに、SDGsの具体的な行動の促進を強く呼びかけていきたいと考えています。
 そのため、県では、国、自治体、経済団体、市民団体、有識者の協力を得て、アクションフェスティバルの推進母体となる「ジャパンSDGsアクション推進協議会」を今月立ち上げました。
 この協議会は、アクションフェスティバルにつながるSDGsの機運醸成と行動に向けたプロモーション活動を、国民的運動として官民連携で展開していきます。
 今後は、この協議会を積極的に活用し、より多くの県民・企業の方々に、SDGsにつながる行動を呼びかけ、後押しするなど、ウィズコロナ時代における持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。