県花「ヤマユリ」について
(2)「ヤマユリに親しむ教育」について


<質問要旨>

 今日、ヤマユリが県花であることを知らない県民も多く、子どもの頃から学校教育の一環として県花ヤマユリに親しむ機会があっても良いのではないかと考えている。小学生が読む副読本には、「ヤマユリが夏ごとに神奈川県の山野にさきみだれるよう、ヤマユリを守り育て、自然を大切にしましょう。」とある。自生地の見学や保護活動を通じた自然学習なども考えられる。また、ヤマユリは球根からだと半年程度、種から育てると開花まで5年程度を要することから、学校の中で、種を植え、花を咲かせるまでを経験することは、子ども達がいのちを育む体験を通して自然の大切さを学ぶ良い機会となるのではないか。

 そこで、県花ヤマユリを通じて子どもたちが郷土神奈川に親しみ、自然保護の大切さを学ぶことは教育的見地からも大変有意義なものと考えるが、どのように学校教育で取り組むのか、所見を伺いたい。


<答弁> 教育長

 現在、県内すべての小学校では、4年生の社会科で、県が作成した参考図書「わたしたちの神奈川県」を使って、県の花「ヤマユリ」など、神奈川の様々な特色を学んでいます。
 のほか、小・中学生向けの税の学習教材、「わたしたちのくらしと税」などで、「ヤマユリ」の写真を掲載し、児童・生徒が県の花に親しむ機会を設けています。
 県立高校でも、川崎市にある百合丘高校は、「ヤマユリ」と、地名の百合丘を象徴する校章を使用しています。同校では、毎年、「百合の花咲く丘プロジェクト」として、PTAや地域の方と共に、校内の斜面地に「ヤマユリ」の球根を植えて、手入れを行い、7月の開花時期に観賞会を開催しています。
 また、県の鳥「かもめ」をモチーフにした着ぐるみが胸に「ヤマユリ」の花をつけた、県高等学校文化連盟のマスコットキャラクターの「かもえもん」が、総合文化祭など様々な催しで活躍し、多くの生徒に親しまれています。
 こうした中、教育的見地から、子ども達に学校の中でヤマユリの種を植え、花を咲かせるまでを経験させてはどうか、というご提案をいただきました。
 私も子どもたちが、自然豊かな神奈川のシンボルである、県の花「ヤマユリ」などに、より親しみながら成長し、郷土愛を育んでいくことは、大切なことと考えています。
 一方で、「ヤマユリ」は、日当たりのよい斜面に自生しており、適した環境でないと、育てることは難しいと、専門家からお聞きしています。
 そこで、議員ご提案の趣旨を受けとめさせていただき、学校内に生育に適した環境のある県立学校を選んで、例えば、農業高校の部活動において、種や球根から「ヤマユリ」を育てることで、生徒がより一層、県の花に親しみ、自然を大切にする心を育む機会をつくってまいります。