EVバッテリーの再利用について


<質問要旨>

 本県では平成23年度にEV使用済みバッテリーを活用したモデル事業を実施し、定置型蓄電池に活用できることが明らかになった。EV等の使用済みバッテリーは、再利用する仕組みを構築する必要があり、経産省もリユース市場整備の検討に入った。本県もEVの市場投入当初から補助金を設け、積極的に普及させた経緯があり、今後、大量に生じる使用済みバッテリーの取扱いに意欲的に取り組んでもらいたい。
 EVで使えなくなった蓄電池は容量が大きく、家庭用として利用価値がある。仕入原価が極めて安価なEVの使用済みバッテリーをローコストな家庭用蓄電池に再生し県内の家庭に設置できれば、県が進める「蓄エネ」政策とも整合し、EVを普及させた恩恵が広く県民に及ぶことにもつながると考える。

そこで、EVの使用済みバッテリーの再利用について、どのように取り組もうとしているのか、所見を伺いたい。


<答弁> 黒岩知事

 本県では、地球温暖化対策など、環境政策の一環として、全国に先駆けてEVの普及に取り組み、普及台数は、本年9月末で約12,500台と全国トップとなっています。
 また、将来のEVの本格的な普及を見据え、使用済みのバッテリーを定置型蓄電池として再利用する実証事業を平成23年度に実施し、十分再利用可能であることを確認しました。
 さらに、本県と県内企業や経済産業省、学識者などで構成する「かながわ次世代エネルギーシステム普及推進協議会」における企業との意見交換会などを通じて、使用済みバッテリーを再利用した製品の開発状況の把握や製品化への働きかけを行ってきました。
 製品化に向けては、県の実証を基に、県内企業が研究を重ね、現時点では、EVの交換用バッテリーとして販売しているほか、早ければ来年度中に定置型蓄電池として製品化する予定と承知しています。
 県としては、EVのバッテリーを再利用した安価な家庭用の定置型蓄電池が製品化されれば、住宅での蓄電池の普及が一気に加速化され、県が進める「災害時も停電のないくらし」の実現につながるものと大いに期待をしています。
 そこで、メーカーに対して、引き続き早期の製品化について働きかけを行うとともに、製品化を見据え、県が実施している蓄電池導入費補助の活用や、製品の周知などの普及方策を検討します。
 また、国では、使用済みバッテリーの再利用に向け、ガイドラインの作成や共同回収の仕組みづくりを進めていますので、県としても、使用済みEVバッテリーの再利用をさらに推進するため、普及方策をエネルギー政策に位置づける方向で検討してまいります。


<意見>
 EVバッテリーの再利用というのは、モデル事業として7年前に開始されました。当時はEVの普及が本格化し、今日では先見性をもった事業だったのではないかと思います。
 また来年度中にもEVのバッテリーが家庭用の蓄電池に転用が実用化されるということで、7年前にまいた種がようやく実を結ぶというようなことでもあります。
 ただ、フォーアールエナジー社による実用化を待つのではなくて積極的に働きかけていただいて、神奈川県民にとってしっかりメリットが生じるような、そうした働きかけを行っていただきたいと思います。
 県が行ったモデル事業が、もしフォーアールエナジー社の開発につながったのであれば、これは本当に誇っていいことだと思っております。
 しっかりと連携を図っていただき、本県のエネルギー政策にしっかりと反映をさせていただきたいと改めて要望します。