3.県立高校における通級指導について


<質問要旨>

 これまで、小中学校などにおいて実施されてきた通級による指導が、平成30年度からは高校でも実施できるようになる。
 本県では、様々な課題を抱えた子どもたち一人ひとりの教育的ニーズに適切に対応していくことを学校教育の根幹に据えた「かながわの支援教育」に取り組んできた。また、県立高校改革基本計画では、重点目標の一つとして「共生社会づくりに向けたインクルーシブ教育の推進」を位置付け、様々な指導や支援を必要とする生徒にきめ細かく対応し、生徒の意欲や態度、能力を育む取組を進めている。
 新たな多様な学びの場の一つとして、平成30年度に向けて、県立高校への通級指導の導入について検討すべきと考える。

 そこで、これまでの取組を踏まえ、県立高校における通級指導の導入について、所見を伺いたい。


<答弁> 教育長

 国が毎年度実施している「通級による指導実施状況調査」では、全国の公立小中学校において、通級指導を受けている学習障害などの児童・生徒は、平成17年度の38,738名から平成27年度には90,270名と大幅に増加しています。
 こうした状況を考えますと、高校においても通級指導などの多様な学習の場を整えることで、小中学校からの学びの連続性を確保していく必要があると認識しております。
また、これまで本県では、「支援教育」の考え方に基づき、県立高校においても、組織的な教育相談体制の充実など、障害の有無に関わらず、生徒一人ひとりのニーズに応じた支援を行ってきました。
 そして、平成26年度から3年間にわたり、「高校インクルーシブ教育研究推進事業」として、県立綾瀬西高校と釜利谷高校で、国の指定を受け、高校における通級指導の実践的な研究を積み重ねてきたところです。
 そこで、県教育委員会としては、こうした取組を踏まえ、高校に進学する生徒の多様な教育的ニーズに対応するため、県立高校において通級指導を導入してまいりたいと考えております。
 このため、来年度、国の教員配置等の動きを見据えつつ、県立高校改革実施計画の中で、通級指導を行う県立高校を複数校指定し、平成30年度の円滑な導入に向けて、準備を進めてまいります。




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