3.県内全体を統括する消防体制の構築について


<質問要旨>

 地震以外にも、台風や土砂災害、工場内の危険物による火災など、災害が大規模化、多様化する中、消防が対応すべき事案は、幅広かつ高度になっているため、個々の市町村の消防力だけでなく、県全体の消防力を結集して、対応する仕組みが必要である。
 本県でも、一時期、箱根山の噴火警戒レベルが引き上げられたり、また、2020年の東京オリンピックなどの開催を控え、テロ災害への不安もあるなど、広域的な連携による対処はますます重要になっている。  そこで、組織統合により県内の消防全体を統括する行政機関を新設することは、現行法制度の抜本的な見直しを伴うため、一筋縄ではいかないことは承知しているが、現在でも、県内消防全体を統括的に運用する仕組みの構築は可能であると考える。政令指定都市を含め、県内全体を統括する消防体制の構築に向け、今後、どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。


<答弁> 黒岩知事

 本県が被災した場合には、県内の消防本部が協力し、災害に立ち向かう必要があります。
 現在は、「神奈川県下消防相互応援協定」により、近隣の消防本部を中心とした応援活動を行っています。
 しかし、大涌谷周辺の火山活動においては、大勢の観光客や住民の避難や救助に備える必要があることから、県が中心となって、県内の全消防本部が迅速に出動し、応援を行う準備を整えました。
 一方、県内では、火山噴火だけでなく、大規模地震や土砂災害などの発生も懸念されており、オール神奈川による迅速な対処が重要になっています。
 そこで、箱根の応援体制を発展させ、政令指定都市を含めた県内全ての消防本部による広域応援体制を構築し、この4月からスタートさせます。
 具体的には、各消防本部の応援部隊を事前登録し、県内で大規模災害が発生した際に、迅速かつ的確に出動できる体制を整えます。
 そして、発災時に、私を本部長とする「神奈川県消防広域運用調整本部」、略称「かながわ消防」を設置し、部隊の一元的運用を行います。
 県は、平成28年度当初予算案で提案した「市町村地域防災力強化事業費補助金」を活用し、応援部隊の車両等の整備を支援します。  平成28年度からは、このような県内消防の新たな広域応援体制により、県と県内消防が一丸となって、大規模災害や事故に対応してまいります。