■平成20年度2月定例会 県民企業常任委員会(平成20年3月4日)
<質疑一覧>
 神奈川県内広域水道事業団の受水費について
 水源かん養林にについて
 災害時における応急給水などの災害対策活動について


 神奈川県内広域水道事業団の受水費について
<質疑>
 昨年11月の当常任委員会で、今後の企業団受水費についてお伺いをいたしました。その際、今後の受水費につきましては、平成20年度以降の次期財政計画を各構成団体と協議しながら策定をしていき、その結果、企業団議会の議決を経て単価改正がされるということでした。そして、平成20年度以降の受水費については、平成19年度と比較して若干下がる見込みであるという御答弁もいただいたところであります。
 そこで、神奈川県内広域水道事業団の受水費のその後の状況について何点かお伺いいたします。
 まず11月の当常任委員会では、平成19年度と比較して少々下がる見込みという説明でしたが、実際には県営水道としてどれくらい下がったのか、改定の概要と併せてお伺いをいたします。

<答弁> 水道・電気計画調整担当課長
 企業団の料金改定の概要ですが、企業団の料金につきましては、財政計画期間を平成20年度から平成22年度の3箇年、平均改定率はマイナス12.7%に引下げの改定を行いました。これを平成18年度、19年度の軽減措置に比較した率ですが、この料金水準の比較におきましてもマイナス3%の改定となっています。なお、この料金改定時期につきましては、平成20年4月1日から適用するものとなります。
 この料金改定によりまして、県営水道の受水費は現行料金単価との比較ではマイナス11.5%、平成18年度、19年度の減額措置による料金水準との比較では2.6%の引下げとなっていまして、平成20年度の県営水道の予算につきましては、企業団受水費が168億円です。平成19年度は175億円でしたので、これの差し引き7億円が減となっていまして、このうちの料金改定の引下げによる減は約4億円です。




<質疑>
 現行の料金単価から見ると平均で12.7%、前回の説明で、既に平成18年度、19年度は軽減措置をしていたということで、実質は平均3%下がっているということでした。これは横浜市、川崎市、他の各構成団体はどのようになっていますか。

<答弁> 水道・電気計画調整担当課長
 構成団体別の状況を申し上げますと、まず横浜市は現行料金水準との比較では12.7%の減であり、平成18年度、19年度の軽減措置との比較では3.1%の引下げとなっています。
 川崎市は、現行料金水準の比較では14.9%の減であり、軽減措置との比較では3.8%の引下げとなっています。
 横須賀市は現行料金水準との比較では11.5%の減であり、軽減措置との比較では0.6%の減となり、構成団体すべてについて引下げが図られたものです。




<質疑>
 各構成団体別では微妙な差ではありますけれども、横浜、川崎と比べて県と横須賀は下げ幅が少ないということなのですが、構成団体によって下げ幅が異なるのはどういった理由からなのでしょうか。

<答弁> 水道・電気計画調整担当課長
 下げ幅が異なる原因ですが、実は今回の料金改定については、全体では現行水準に比べて12.7%の引下げということですが、企業団の料金におきましては、事業別の2部料金制を敷いております。
 その内訳といたしまして、直営事業では基本料金については16.7%の引下げとなっていますが、使用料金につきましては8%の引上げをしています。また、寒川事業所につきましても、基本料金は0.8%、わずかですが引上げになっております。
 そこで各構成団体の率については、基本水量については使用量にかかわらず定額で課せられるものですが、使用料金については各構成団体の実際の使用水量の状況によって増減いたします。
 それによりまして、例えば神奈川県や横須賀市につきましては、直営事業の基本料金に対しまして、使用水量が6割近く占めているということと、川崎市のように基本水量と使用水量を比較した場合に、4割程度しか使用水量を使っていないというところでは、トータルの率に差が出るといった状況でありまして、先ほど申しましたような結果になったものです。




<質疑>
 基本料金と使用料金のそれぞれの比率の差が出てきていると理解いたしました。
 今回の料金算定の基礎となりました企業団の財政計画ですが、計画期間は平成20年度から平成22年度の3年間ですが、計画期間の3年というのは短いということはないのでしょうか。

<答弁> 水道・電気計画調整担当課長
 日本水道協会で策定した水道料金算定要領というのがあります。それが標準的な算定方法を示したものでありまして、料金算定期間に関する指針といたしましては、料金算定は料金の安定性、期間的負担の公平、原価把握の妥当性及び水道事業者の責任の面などを考慮してみると、おおむね3年から5年が妥当であるといった見解があります。
 基本的には、その範囲内で適正な算定をすることが望ましいということがありまして、今回、構成団体といたしましては、企業団の経営状況を見ますと、今後、支払利息の低減等の状況等も望めますので、できるだけ長い期間で料金算定をやっていただきたいという要望をいたしました。それを受けまして、企業団として料金算定は5箇年のスパンで実施するということになりましたが、財政計画期間ということにおきましては、水利使用許可期限が平成22年度に切れるということがありまして、3箇年の財政計画期間ということにした次第です。




<質疑>
 前の計画期間が平成15年度から平成19年度の5年間であったのに、今回は3年ということは水利権の期限が来るということで理解してよろしいわけですね。

<答弁> 水道・電気計画調整担当課長
 そのとおりでございます。




<質疑>
 もうちょっと整理させてください。
 今回の財政計画期間は3年間で、料金算定期間は平成20年度から平成24年度の5年ということでよろしいでしょうか。

<答弁> 水道・電気計画調整担当課長
 今回、企業団が改定した料金についての原価計算につきましては、5箇年の収支見通しを基にして料金算定を行ったものです。ただし、企業団といたしましては財政計画として発表したその期間につきましては3箇年ということもありまして、3箇年の料金ということで公表されたものです。




<質疑>
 財政計画期間が3年間、料金算定期間が5年間ということは理解をいたしましたが、企業団というのは設立の趣旨からいって、これまでかなりの建設のための投資を行って、いわゆる資本費の減価償却の増大、また支払利息の支出が相当高い水準で続いていると聞いています。
 実際に平成18年度決算でも単年度で赤字が出ているということで、多額の累積欠損金もあります。それで平成19年度、また平成20年度から平成22年度の計画期間を設けられていますけれども、今後どのように推移すると考えていらっしゃるのでしょうか。

<答弁> 水道・電気計画調整担当課長
 今後の累積欠損ですが、平成19年度の累積欠損は予算ベースでいきますと175億円になります。これにつきましては平成13年度の宮ヶ瀬ダムの本格稼動によります減価償却の増大や支払利息の増大を受けて累積欠損が出たものです。
 しかしながら、この見通しにつきまして、今後、大規模開発、三保ダムの関係の創設事業の元利償還金の償還期限を迎えることや、相模川水系におきましても、30年近くになる企業債の償還が進んできている状況があり、今回、改定した料金水準のまま推移すれば、平成20年度代の後半には累積欠損が解消できる見込みとなっております。




<質疑>
 今回は構成団体の要望に沿って、これまでの2年間、そして今後の当面3年間の受水費を低減したということですが、今の答弁を伺うと、累積欠損金がある中で受水費を下げても企業団の経営に無理はないと考えてよろしいですか。

<答弁> 水道・電気計画調整担当課長
 企業団の経営ですが、損益上、確かに累積欠損という巨額の赤字が出ていますが、逆に減価償却費等を計上したことによっての赤字ですので、資金ベースで申せば、内部での留保される資金が一定額以上あり、運転資金については、十分足りるような状況になっています。




<質疑>
 企業団の記者発表資料を見ると受水費を下げて料金の収入が減っていく中でも、累積欠損金は解消できるということですが、いつ実現をする見込みなのでしょうか。

<答弁> 水道・電気計画調整担当課長
 企業団の試算では今回の改定料金によれば、平成27年度には累積欠損金は解消する見込みです。




<質疑>
 累積欠損が解消できるということは、それ以降の経営というのは極めて安定した状態になると考えてよろしいですか。

<答弁> 水道・電気計画調整担当課長
 それ以降の経営につきまして、どのような料金水準をとるかにもかかわりますが、今回の料金を続けるのであれば、それ以降は黒字という状況になります。




<質疑>
 経営がそれだけ安定して良い状態になってくれば、受水費は下げないといけないと思いますけれども、それはこの先様々な公共団体等との協議があると思いますので、今のところはできるだけ早く企業団の経営状態が良くなっていくことを目指すべきだと思います。
 午前中の榎並委員の質疑にもありましたが、県営水道は平成19年度に53億7,000万円、高金利債の繰上償還を行って、8億円ほどの利息軽減効果があったということでありますが、企業団の今回の記者発表資料を見ますと、企業団も同じように繰上償還を進めているということであります。
 平成19年度は139.1億円を借換え、平成20年度は最大202.5億円の借換えによって金利負担の軽減化を図るというように読めるわけですが、それによって軽減される利息の数字も計算されていますけれども、これは企業団の経営基盤強化という観点では、どれぐらいの影響を与えるものなのでしょうか。

<答弁> 水道・電気計画調整担当課長
 この利息の軽減につきましては、今回の料金改定にかかわる財政計画を策定した後に、国から認められたという経緯もありまして、トータルで平成31年度までに64億5,000万円の黒字と軽減効果については算入されておりません。ですから、先ほど申しましたような、平成27年度の累積欠損の解消というものは、このままでいけば時期が早まるという状況ですので、それ以降の料金設定についてはよく議論していきたいと考えております。




<要望>
 よく分かりました。県営水道の受水費は安ければ安い方がよく、これからも一層軽減をさせていかなければならないと思いますが、そのためには、広域水道企業団の経営がしっかりと改善され、安定しなければいけないと思いますので、その経営改善に向けての働き掛けを行いながら、しっかりと経営が安定するように努めていただきたいと要望いたしまして、次の質疑に移ります。




 水源かん養林について
<質疑>
 企業庁の水道電気の事業というのは、ダムの水を使っております事業ですから、水源地域の整備とは切っても切れない関係にあるのだと思います。そこで、12月の当常任委員会では、県が推進しているかながわ水源環境保全・再生施策による上流域の森林整備について、企業庁として積極的にかかわれないものかとお尋ねをいたしたところであります。
 このたびの平成20年度予算ですが、電気事業のところを見ますと、新規事業として水源かん養林調査委託事業898万8,000円とあります。これについて、県の水源の森林づくり事業の関連も含めて何点かお伺いしたいと思います。
 まず企業庁が行っている水源かん養林保全事業というのは、どのような経緯で実施してきたのか、事業の概要を含めて御説明をいただきたいと思います。

<答弁> 業務課長
 私どもの行っております水源かん養林の事業ですが、道志ダムの道志調整池が昭和30年に完成いたしましたが、その上流部分の森林がかなり荒廃をしてしまいました。地元の皆さんの御要望もありまして、また、私ども企業庁といたしましても、発電用の用水確保や水道用の用水確保、また、道志調整池への土砂の流入の防止、このような観点から水源かん養林事業に取り組んできています。
 概要といたしましては、土地所有者の財産区と50年間の造林契約を結びまして、私どもが借入れするという内容です。現在、毎年度、下草刈り、枝打ちなどを行っているところです。




<質疑>
 今も少し触れていただきましたけれども、水源かん養林の整備内容は具体的にどういうものなのか詳しくお伺いしたいということと、その経費を含めて、ここ数年の状況をお伺いしたいと思います。

<答弁> 業務課長
 水源かん養林の整備内容ですが、間伐、枝打ち、下草刈を毎年度およそ20ヘクタールの規模で行っております。金額といたしましては、ここ数年1,200万円前後の費用で行ってきています。




<質疑>
 造林契約書というものを見せていただきました。水源かん養林の造成ということで、50年前の昭和34年や昭和38年から契約を結んでいるわけでありますが、この間本当に長い期間、企業庁として森林づくりに努められてきたと知ることができるわけです。この契約内容を見ると造林及びこれに伴う施設に要する費用は、すべて企業庁が負担をするということですが、造林その他による収益は半分ずつというような内容になっております。ただし、それらの木材等の生産物に関しては、売却に当たり様々な費用を要した場合は、売却代金またはこの費用を控除して、残額について分収することになっています。御存じのように、木材の価格が大変低迷をしている中で、一応こういう契約はありますけれども、実際に分集林からの収益というのは、今どのような状況にあるのかどうか。また、その収益が出た場合には企業庁に入ってくるのかどうか、その辺りはいかがでしょうか。

<答弁> 業務課長
 そろそろ50年を迎えるわけですが、林業専門家の話を聞きますと、委員お話しのとおり、木材価格はかなりの低迷状況です。また、山の状況は、標高800メートルくらいにあり、切り出しのコストということを考えると非常に厳しい状況と言わざるを得ず、木材価格、伐採、搬出に要する費用は厳しい見通しを持っています。なお、50年経過後に伐採し、売却をして利益が出た場合には、当然契約書に従いまして利益を分配していただくように考えております。




<質疑>
 利益が出るのかどうか、大変心配されているところでありますけれども、調査が実際に行われて、その結論が出る前に、余り悲観的なことばかり言ってもしようがないと思います。これまでのそのような事業に加えて、新たに平成20年度予算として、水源かん養林の調査委託事業ということで打ち出されているわけでが、この目的と内容を教えてください。

<答弁> 業務課長
 平成20年度予算の水源かん養林の調査委託ですが、先ほど申し上げましたが、水源かん養林の一つは平成21年に50年間の契約が満了をいたします。また、もう一つは平成24年3月に契約期間が満了いたします。
 企業庁として、今後のこの山とのかかわり方を平成20年度から研究をし、議論をしていく必要があるという問題意識の下に予算要求している事業です。
 なお、内容としましては、山の現況、植生、土壌、伐採した場合の木材資源の収支の予算、また間伐木材の有効活用の方法について調査をしていきたいと考えます。




<質疑>
 委託する機関は既に決まっているのですか。

<答弁> 業務課長
 どちらにお願いをするかというのは現在検討しておりますが、幾つか山の調査・研究をしているところがありますので、比較・検討したいと思っております。




<質疑>
 今の御説明によると、一方の分集林は平成21年、もう一方が平成24年に分集林契約が終了するということですが、今のやりとりの中で感じたのは、切り出しのコストが大変であり、どういった生育状況にあるのか、細かく調査をしなければ分からないことだと思いますけれども、今の日本の林業を取り巻く環境等を考えると大変厳しいという想像はつきます。この分集林契約が平成21年、また平成24年に切れた後というのは、この山はどうなっていくのか、どういう管理をしていくのか、そこも教えていただきたいと思います。

<答弁> 業務課長
 この水源かん養林が持っている機能は、電力の用水確保、水道の用水確保、調整池への土砂の流入の抑制という観点から、非常に重要であると思っております。さらには、地球環境保全の観点から、また水質の観点からも非常に重要な役割を持っている山だと理解をしております。
 そういう中で、分集林契約終了後どのようにしていったらいいのか、まずは考えをまとめまして、さらに山を持っていらっしゃる地主の地権者の方々にお考えを聞きながら検討していく予定です。




<質疑>
 前回までの当常任委員会の中でのやりとりでも、本来であれば、水源かん養ということを考えると、スギとヒノキの混交林が望ましいと思います。ただ、そのためには、今のスギとヒノキの森を有効活用していかないと次が見えてこないということもありますので、大変な事業だと思いますがよろしくお願いをしたいと思います。
 少し角度を変えますけれども、今説明していただいた企業庁が今回実施する水源かん養林調査委託事業とかながわ水源環境保全・再生施策の水源の森林づくり事業は関連があるのでしょうか。

<答弁> 企業庁総務課企画広報室長
 企業庁が実施する水源かん養林整備の目的は水源を保全・整備することで上質な水を将来にわたり安定的に確保していくことであり、水源環境保全・再生施策の水源の森づくり事業と目指す方向は同じであると考えております。
 また、企業庁が行っておりますダム湖の環境整備あるいは水源環境整備などの事業については、既存財源で対応していることから、水源の森づくり事業とは別の構成事業となっておりますが、同様に森林の保全・再生のための広域的水源整備を進めるものであり、かながわ水源環境保全・再生施策大綱の中に同様に位置付けています。




<質疑>
 前回までの当常任委員会の中でのやりとりでも、本来であれば、水源かん養ということを考えると、スギとヒノキの混交林が望ましいと思います。ただ、そのためには、今のスギとヒノキの森を有効活用していかないと次が見えてこないということもありますので、大変な事業だと思いますがよろしくお願いをしたいと思います。
 少し角度を変えますけれども、今説明していただいた企業庁が今回実施する水源かん養林調査委託事業とかながわ水源環境保全・再生施策の水源の森林づくり事業は関連があるのでしょうか。

<答弁> 企業庁総務課企画広報室長
 企業庁が実施する水源かん養林整備の目的は水源を保全・整備することで上質な水を将来にわたり安定的に確保していくことであり、水源環境保全・再生施策の水源の森づくり事業と目指す方向は同じであると考えております。
 また、企業庁が行っておりますダム湖の環境整備あるいは水源環境整備などの事業については、既存財源で対応していることから、水源の森づくり事業とは別の構成事業となっておりますが、同様に森林の保全・再生のための広域的水源整備を進めるものであり、かながわ水源環境保全・再生施策大綱の中に同様に位置付けています。




<質疑>
 前回までの当常任委員会の中でのやりとりでも、本来であれば、水源かん養ということを考えると、スギとヒノキの混交林が望ましいと思います。ただ、そのためには、今のスギとヒノキの森を有効活用していかないと次が見えてこないということもありますので、大変な事業だと思いますがよろしくお願いをしたいと思います。
 少し角度を変えますけれども、今説明していただいた企業庁が今回実施する水源かん養林調査委託事業とかながわ水源環境保全・再生施策の水源の森林づくり事業は関連があるのでしょうか。

<答弁> 企業庁総務課企画広報室長
 企業庁が実施する水源かん養林整備の目的は水源を保全・整備することで上質な水を将来にわたり安定的に確保していくことであり、水源環境保全・再生施策の水源の森づくり事業と目指す方向は同じであると考えております。
 また、企業庁が行っておりますダム湖の環境整備あるいは水源環境整備などの事業については、既存財源で対応していることから、水源の森づくり事業とは別の構成事業となっておりますが、同様に森林の保全・再生のための広域的水源整備を進めるものであり、かながわ水源環境保全・再生施策大綱の中に同様に位置付けています。




<質疑>
 両方の事業が連携して進んでいけば、より効果的であると私は思いますが、そうした連携の方策というものは考えられるのでしょうか。

<答弁> 企業庁総務課企画広報室長
 企業庁が行う水源かん養整備事業は、今申し上げましたとおり、かながわ水源環境保全・再生施策大綱に水源の森づくり事業と同様に位置付けておりまして、庁内組織の推進会議あるいはその下の部会で、施策全体としての連携・調整をして事業を行っております。
 しかし、具体的な事業の実施に当たっては、それぞれの地域の特性に応じた整備を進める必要がありますので、今後もどのような連携が可能なのかということについては、関係部局と意見交換していきたいと思っております。




<要望>
 企業庁の事業に直接的に影響を与える山梨県などの上流域の整備については、現在かながわ水源環境保全・再生実行5箇年計画の中で調査をしているところですが、12月の当常任委員会の御答弁では、企業庁も推進体制の一員として参画していくということでした。
 今後、分集林については、県もこれから様々な問題に直面していくことになると思いますので、今回の調査とそれにつながっていく整備事業を万全の体制で進めていただいて、今後の県全体の水源の森林づくりに大きな示唆をしていただきたいということを要望いたしまして、次に質疑に移ります。




 災害時における応急給水などの災害対策活動について
<質疑>
 昨年7月16日の新潟県中越沖地震、さらには、3年半前の新潟県中越地震、そのような大きな地震の際には水道、電気、ガスといったライフラインに大きな被害が生じます。企業庁からも、そのような災害時に給水車を持ち込んで、応急給水支援活動や漏水修理などの応急復旧支援活動などの対応をされたというところは記憶に新しいところです。そうした中で、神奈川県でも、昨年10月1日の早朝に震度5強の地震が発生いたしまして、被害は小さかったものの、大地震の災害は身近なものであるということを改めて実感いたしました。
 そこで、被災した場合の応急給水など、災害対策活動について何点かお伺いをしたいと思います。
 先ほどの関口委員の質疑の中でもありましたけれども、企業庁としては災害や事故に強い水道づくりを目指して、耐震化促進事業など災害時にライフラインの確保を図る事業を精力的に行っているということは承知しております。平成20年度予算の応急給水体制整備促進事業というところで、非常用貯水タンク連絡管工事というものが記載されています。
 まず、この工事がどういったものなのか。また、私も横浜市において、ある小学校のグラウンドの地下に埋設されている貯水タンクを実際に見たことがありますけれども、この非常用貯水タンクを設置する場合の水道事業者と市町とのかかわりについても教えていただきたいと思います。

<答弁> 水道施設課長
 まず応急給水対策整備促進事業ですが、大規模地震などの発生に備えまして災害発生時の非常用飲料水を確保するため、市町が実施する非常用貯水タンクの設置をする事業などです。なお、各市、町は地域防災計画に基づきまして、非常用貯水タンクを計画的に設置しております。
 平成20年度には、藤沢市におきまして容量100立方メートルの非常用貯水タンクの設置を計画しております。県営水道では、水道本管から非常用貯水タンクへ直結する連絡管20メートルの工事につきまして負担して執行するものです。
 また、貯水タンク設置の市町とのかかわりですが、予算策定時においては水道営業所が市町と設置に伴う事前協議を行いまして、設置後には維持管理協定を締結しまして適切な維持管理に努めております。




<質疑>
 今の非常用貯水タンクの設置というのは市町の役割なのでしょうか。また、市町の設置状況というのはお分かりになりますか。

<答弁> 水道施設課長
 設置状況ですが、非常用貯水タンクは昭和60年に平塚市が容量100立方メートルのタンクを設置しましたのが最初です。その後、各市町が地域防災施策に基づきまして設置を行い、平成18年度末現在におきまして、相模原市、藤沢市、海老名市などの11市4町で小学校や公園の広域避難場所などに113基設置されています。平成19年度は鎌倉市、藤沢市に2基設置しまして、平成20年度は藤沢市に1基が予定されておりますので、平成20年度末には116基となる予定です。




<質疑>
 また、貯水タンクですが市や町が広域避難場所などに設置するということでありますが、地震災害が起きたときなどに県営水道と市町の役割というのはどのようになっていますか。

<答弁> 計画課長
 各自治体における災害対策の基本的な考え方は、地域防災計画に定めています。県の地域防災計画に定めている点としては、水道事業者として被災者の生活に欠かすことができない水道施設の設置に全力を投入し、一日も早く水道管を通して水を供給できるようにするということがあります。そのほかに応急給水、市町が行います応急給水の飲料水を確保し、市町が行う給水活動を支援するということの定めがあります。
 市町はそれぞれ給水班を編成いたしまして、県営水道が確保いたしました飲料水、そのほか、市町が先ほどから出ております貯水タンクに蓄えた非常用の水、あるいは鋼板製プール等の水をろ過して使う水、あるいは井戸水を活用して応急給水を実施するということになっています。




<質疑>
 県営水道側の具体的な役割を詳しく教えてください。

<答弁> 計画課長
 県営水道の役割を具体的に申し上げますと、応急復旧に全力を尽くすということが使命ですので、職員はもちろんですが、土木工事関係の業者等と応急復旧工事に関する協定を結んでおりまして、迅速に応急給水にとりかかるように体制を整えています。
 次に、市町が行います応急給水の支援ですが、これは給水車の補給が可能な地理的条件を満たし、なおかつ支援する水道局の職員が迅速に集まれるような配水池を災害用指定配水池として38箇所定めています。ここに33万立方メートルの飲料水が確保されるように設備が整っています。これによりまして、市町が実施する応急給水の支援をいたします。全体で33万立方メートル、県営水道のお客様は273万人ですので、1人当たり約120リットルという量を確保しているということになります。
 また、そのほか県営水道では、応急給水に使えるようものとしては、給水車3台あるいは給水タンク、これはトラック搭載するものですけれども1トンのものが27台、あるいはポリエチレンのタンク等を配備するとともに、営業所では水の袋詰めの機械を全水道営業所に配備をして市町の応急給水活動を出来る限り支援するように準備をしています。




<質疑>
 少し話を戻してしまって申し訳ないですが、先ほど非常用貯水タンクの設置、これは平成20年度末で116基になるというお話でした。平成20年度の設置は何箇所でしたか、もう一回確認をします。

<答弁> 水道施設課長
 平成20年度には1基です。




<質疑>
 予算が1箇所で3,953万4,000円になっているわけで、これはタンクの連絡管工事のみでの金額ということですが、タンクの設置まで含めた場合には、大体の概算で結構ですので、どれだけの費用がかかるものか教えてください。

<答弁> 水道施設課長
 3,953万4,000円はタンクの連絡管工事だけではありません。ほかに緊急遮断弁室更新工事等を含めて3,953万4,000円ということです。タンクの金額につきましては、土工事、材料、附属設備を含めて4,900万円と藤沢市から聞いています。




<質疑>
 4,900万円プラス県が負担する工事費がトータルでかかると解釈してよろしいですか。

<答弁> 水道施設課長
 委員のおっしゃるとおりでございます。




<質疑>
 これは企業庁に関連することかどう分かりませんが、このような市町が設置をする非常用貯水タンクの設置費用は、市町の単独の予算でやっているのでしょうか。

<答弁> 水道施設課長
 非常用貯水タンクにかかる補助金については、神奈川県市町村地震防災対策緊急支援事業の補助対策事業であり、飲料水の確保体制に係る貯水対策水槽の整備として位置付けられております。その他に国庫補助の方から総合防災施設などの補助助成金制度が確立しております。




<質疑>
 額とか利率というのは分かりませんか。

<答弁> 水道電気局参事(水運用担当)
 藤沢市の平成20年度におきます補助金につきましては年間4,900万円のうち国からの補助は40%、1,960万円、県からの補助は20%でございまして980万円でございます。藤沢市としての取組は40%で、1,960万円との内訳です。




<質疑>
 なぜここでお尋ねしたかと言いますと、市町が設置するタンクではありますが、例えば県の主要な防災拠点になるような場所等にも設置できないのかと、御説明をいただきながら思いました。
 仕組みとしては、流れている水道を遮断して、その中をタンクとして利用するということだとごく簡単に理解していますが、そのようなことができないのかと思いましたので、その費用がどのように負担されているのかということを少しお尋ねいたしました。実際にはこれと同じような仕組みのものが県庁舎にあるということはないのでしょうか。

<答弁> 水道電気局長
 16箇所と申しますのは、県水道の給水区域内の市町です。横浜市は独自で38箇所を設置しています。公営の一番近いところは、みなとみらいの1,000トンのタンクです。県庁の地下にはありません。




<質疑>
 こういった都市部で企業等の協力をもらいながら、進めていけないものかと思いましたのでお尋ねをさせていただきました。少し寄り道をしてしまいまして申し訳ありません。
 次に、いざ災害が起きたときに、これはいつも言われることですけれども、まず職員の皆さんが参集して応急復旧などの作業に当たるということになると思います。その際に、指揮官がきちんとしていないと、せっかく集まった皆さんも集団として機能しないということがあると思います。その指揮官への連絡体制や現場での指揮命令の仕組みはどうなっているのかお答えいただきたいと思います。

<答弁> 計画課長
 実際、地震等が発生しますと、まず県全体として神奈川県災害対策本部が立ち上がります。そこの下部組織として、企業庁災害対策本部を県庁内に設置をいたします。企業庁長の指揮命令の下に断水情報や主要管路の被害状況等を集約し、県の災害対策本部と情報交換しながら、連携をとるということになっています。
 また、県営水道の給水区域というのは県の中央部にありますので、寒川浄水場に水道現地対策本部を設置いたします。ここでは、水道営業所からの情報、被災状況等が集まってくると同時に、水を別のルートから回す等の指揮命令をいたします。また、そういった復旧の手順、業者の手配の具体的な指示命令をここから水道営業所に伝達するとともに、県庁にある企業庁の災害対策本部に伝達、連絡をとるということになっています。
 さらに、実際に被災している現場に一番近い管轄の水道営業所に対策本部を設置いたします。ここでは必要な資機材の調達や営業所の近くにある水道工事の業者と連携し、実際に復旧作業が始まりますと、そこの現場監督をいたしまして、一日も早い復旧に向けて取り組むということになっております。
 また、このような情報伝達の際に用いる通信手段ですが、神奈川県の防災行政無線あるいは企業庁単独で持っております専用の無線あるいは衛星携帯電話、それから災害時優先電話等を活用しまして非常時の連絡体制の確実な運用に努めております。




<質疑>
 地震というのは突然襲ってくるもので、特に真夜中などでは職員の皆さんが集まれない、あるいは営業所等によっては、なかなか集まってこられる方の数が限られてくると思いますが、職員の方が自分の所属する部署や営業所等に集まってこられない場合等はどのような体制をとっていらっしゃるんでしょうか。

<答弁> 計画課長
 緊急時におけます職員の参集体制ですが、企業庁災害対策計画を定めていまして、県内において震度6弱以上の地震が発生いたしますと全職員が自分の所属あるいはあらかじめ指定された場所に参集することになっております。
 このあらかじめ指定された場所というのは、休日あるいは勤務時間外に被災した場合に自宅から徒歩2時間以内、あるいは自転車で2時間以内に参集可能な職員を自分の所属以外に参集するよう指定したものです。交通機関が麻ひした場合でも、最低限必要な職員を確保するというものです。
 また、飲料水を確実に確保するために災害指定配水池や寒川浄水場内の水道現地対策本部を確実に一定の職員を参集させる場所として指定しています。そのほか震度5強以下の場合でも被害が広範囲に及ぶというような場合には参集することに定めています。
 このように柔軟で機能的な参集場所を規定いたしまして、被災時に職員が不在となるような所属を出さないように、また、できる限り迅速な参集が図れるような配備体制を整えています。




<質疑>
 今、職員の皆さんのことについてお聞きいたしましたけれども、やはり日常的に工事は水道工事事業者の方々にお願いをしていくということだと思いますが、そういった業者との災害時の連携協力の体制について確認しておきたいと思います。

<答弁> 計画課長
 応急復旧における水道工事業者との連携ですが、実際に復旧工事を行うのは、我々職員ではなくて業者の方です。復旧工事を行う管工事業組合の本部、支部は16支部ありますが、その支部の中に所属している業者は約870社になります。そういうところと要請方法あるいは作業していただく内容を具体的に取りまとめて協定を結んでいます。
 中でも、管工事業組合との協定ですが、被災しますと本庁から組合の本部に協力の要請をいたします。次に組合の本部は各支部に協力の要請の連絡をいたします。これと併せて、各水道の営業所では被災状況の確認と復旧方法の検討と決定をして、それぞれの組合の支部に具体的な要請をいたします。このような管工事業組合との連携協力につきましては、訓練を年3回実施しております。その際に、実際のシミュレーションを行いまして、常に機能するよう検証を図っているところです。
 そのほか、県営水道単独で応急体制が組めないというような場合に備えまして、応急給水あるいは応急復旧、あるいは資機材の提供などを内容とする協定を県内の県営水道以外の19の水道事業者や全国組織である日本水道協会とも協定を結びまして体制を整えています。その他に、県営水道単独で千葉県の水道局や静岡県企業局との協定も結んでいます。




<要望>
 相互融通事業や耐震化促進事業を実施し災害・事故に強い水道づくりを現在進めているということは理解をいたしております。
 ただ、いざ災害が起こったときには、マンパワーが必要になってくると思いますので、そのために、日ごろからの訓練が非常に重要だと思います。
 また、先ほども少し触れさせていただきましたが、貯水ということについては、これは県営水道給水区域内ということに限られていると思いますが、例えば、仮にインベスト神奈川で誘致をした大規模な事業所等にも協力をお願いするというのも一つの方法であると思いました。いざという時に、十分、地震への備えが機能するようにお願いをして、私の質疑を終わります。