■平成19年度6月定例会 県民企業常任委員会(平成19年6月29日)
<質疑一覧>
 日本人と外国人の間に生まれた子供たちの教育環境について
 「今後の水道事業のあり方を考える懇話会」について
 相模ダムのしゅんせつについて


 日本人と外国人の間に生まれた子供たちの教育環境について
<質疑>
 県は、地球市民かながわプラザでいろいろな教育相談を行っていると伺っていますが、例えばそういった子供たちからいじめだとか、またいろいろな学校の中での悩みなどを含めて、どのような相談が寄せられるのか教えてください。

<答弁> 国際課長
 地球市民かながわプラザで実施しております教育相談でございますが、これは外国籍の県民の児童・生徒本人でありますとか、保護者の方、あるいは学校関係者、支援者等の方々からの教育に係る相談を昨年の7月から受けております。
 相談は日本語のほかに、中国語、タガログ語、スペイン語で受け付けており、昨年の7月から今年の5月末までで、300件を超える相談をいただいております。
 相談内容でございますが、例えば日本の学校の仕組みがよく分からないでありますとか、高校入試制度を教えてもらいたいといった、進学や編入学に関する相談でありますとか、日本語を教えてくれる教室を探している、また、学校で使える多言語の資料がないとかといった、学習の相談、あるいは日本語に関する相談が多く寄せられております。なお、昨年の7月に開始したということで、今のところ、児童・生徒のいじめに関する相談は寄せられていない状況でございます。




<質疑>
 外見は外国人だけれども、当然日本で暮らしているわけで、日本語しか話せないし、生活習慣も全部日本の生活習慣だから、今は外人という言葉は、言い替えなくてはいけないと言われますが、子供たちの言葉で言えば、「お前、外人のくせに、英語もしゃべれないのかよ」って言われていじめられるということが結構あって、そういった子供たちの多くは、実は不登校になることがあります。例えば、そういった子供たちは、どこに相談を持っていったらいいのだろうかと思います。外国籍県民ではなく、日本の国籍を持っているけれども、そういう思いをしている中で、それはどこに相談すればいいのでしょうか。

<答弁> 国際課長
 そういった日本人と結婚された外国人の方の子供たちは、日本国籍である場合があろうかと思いますが、そういった方々からの相談に対しても、当然、教育相談で扱わせていただいております。
 そのほか教育委員会でも、県立総合教育センターにおきまして、教育相談センターを設けておりますので、そちらにも相談が行っているのではないかと考えております。




<質疑>
 この問題というのは、日本人の子供たちには、いろいろな支援の仕組みがあり、外国籍の子供たちには、外国籍の子供たちに対するいろいろな支援がありますが、このはざ間に挟まってしまっているという印象がすごくあり、なかなか難しいと思います。行政が、余り効果的な手を打てないところで頑張っている民間の人、ボランティア団体に、何らかのインセンティブなどを与えることも必要だと思いますが、何か手を差し伸べることはあるのでしょうか。

<答弁> 国際課長
 県としましては、ボランタリー活動の自主性や主体性を尊重しながら、県とボランタリー団体が協力して、協働して事業を進めることは、大変重要なことであると考えております。
 今、委員からお話がありました、インセンティブということですが、一つは、NGO等による国際協力活動に対する資金的な支援としまして、かながわ国際交流財団で設置しております民際協力基金というものがございます。この基金は、地球規模の課題の解決ですとか、あるいは、ともに生きる開かれた地域社会づくりといった活動をしますNGOに対し、補助金による支援をする制度でございます。
 もう一つ、ボランタリー活動を促進するための支援を目的としまして、かながわボランタリー活動推進基金21を設けてございます。この基金は、ボランタリー団体等と県が対等な立場でパートナーシップを組んで行うことで、一層の効果が期待できる事業の推進に対する支援であります共同事業負担金、そしてボランタリー団体等が自発的に取り組む公益的事業や先駆的事業の立上げや、新たな展開に対する支援でありますボランタリー活動補助金等がございます。
 大きくはこの二つの仕組みがあるわけでございますが、これらの基金につきましては、申請をいただいて、それぞれ審査があるわけです。その中で、委員お話しの外国籍県民の教育問題に取り組む団体の活動につきましては、この基金の対象範囲であるものと考えております。
 それから、団体の活動場所など、ボランティア団体の抱える課題があるかと思います。この辺につきましては、身近な市町村に係る事柄でもございますので、県と市町村で、国際施策担当課長会議というものを設けております。
 もう一つは、県内市町村と連携して、地域の国際化に関する調査研究や情報交換を行っております、かながわ自治体の国際政策研究会というものがございます。こういった場を通じまして、お話も承って、議論していきたいと考えております。




<質疑>
 私が存じ上げている方々は、たまたま横浜の方なので、いろいろな市の施設を借りています。ただ、どうしてもウイークエンドは、抽選があるので、施設を予約するのも難しく、特にウイークデーのプログラムは、毎週やりたいけれども、なかなかうまく予約できない。そうすると、いろいろな施設を点々としなくてはいけないわけで、それはそれで、やむを得ないと皆さん思っています。同じところを毎週ずっと取ることは、まず難しく、いろいろと資金があれば、部屋を借りたり、買ったりすればいいのですが、なかなかうまくいかないので、行政の施設を借りながらやっているのですが、体育とか音楽とかになると難しくなってきます。なぜかというと、そのような子供たちは、学校に行かない子供たちが多いので、最初は英語だけを教えて、何とか国際人として育ってもらおうということでやっていますが、やっていると需要を喚起するようなところがあって、ウイークデーも、いろいろな勉強を教えなければいけないようになり、音楽とか体育とかになると、できる場所が限られてきます。その方々が言うには、県の青少年センターが使えると助かるということですが、なかなか難しそうで、既に青少年センターは、ひきこもり、不登校の子供たちをフォローするNPOなどに貸しているという話もあるわけです。今私が申し上げたような活動をしている人たちにとっては、青少年センターであれば、体育館や音楽室があるので助かるというのですが、例えば、そういう人たちに使ってもらうことができるのでしょうか。

<答弁> 青少年課長
 会議室等がございますので、一時的な使用はしていただけるものと考えております。




<質疑>
 青少年センターは、リニューアルをして人気が出てきたという話を聞いていますが、そういった競争率というか、施設を申し込んだとき、どのぐらいの混みようであるのか、その状況をお伺いします。

<答弁> 青少年課長
 御利用になりたい日ですとか、そういった状況もあると思いますが、条件を選ばなければ、利用ができる状況かとは思います。




<質疑>
 これから外国籍またはダブルの人たちが抱える問題を、県が積極的に適切に対処していくことが大事だと思いますが、今申し上げたようなケース、そしてまた、外国籍県民に対して、これから県として、どのような施策に取り組んでいかれるのかをお聞かせいただければと思います。

<答弁> 国際課長
 委員御指摘のとおり、これから外国籍県民の数自体も増えていくでしょうし、お話のありました外国籍の方と日本人の方が結婚されて、産まれる子供たちが増えていると考えております。こういった方々に対しまして、教育も含めて、福祉、医療、住まいとか、日常生活などの様々な問題が起きてまいります。もちろん、そういったものにつきまして、まずは身近な市町村で対応をしていただくよう、市町村に対して相談窓口の一層の充実を働き掛けてまいりたいと考えております。そして、加えて、NPO等と連携しまして、教育などの専門的な相談にも、より的確に応じていけますように、関係機関で連携をより一層強化し、その結果、総合的な相談機能を充実していきたいと考えております。
 そして、問題が複雑化、多岐にわたってきておりますので、問題の解決に向け、日常的にきめ細かい支援を担います、多文化ソーシャルワーカーといった方々を養成していきたいと考えております。また、外国籍県民の方々の生活基盤の安定に向け、職につくことを支援するための取組につきましても、検討を進めたいと考えております。
 こういったことを通じまして、外国籍県民の方々を含め、県民の方々がお互いに多様な文化や暮らしを理解し、尊重しながら、それぞれの個性や能力を発揮していただき、だれもが暮らしやすい明るい地域社会を目指して、施策を進めてまいりたいと考えております。




<要望>
 外国籍の方々というのは、県内でたくさん暮らしており、特に県内の県営住宅などでは、大変に比率が高いところもあります。そういうところでは、実はその団地に暮らす日本人も、文化の違いによって、結構いろいろなストレスを抱えるわけです。しかし、逆に言うと、数は多いといっても、やはり外国籍の方々は、日本社会の中ではマイノリティーであり、彼らが抱えるストレスは大変なもので、特にこの子供たちのストレスというのは、ものすごいものです。だから、そのような子供たちに、しっかりと手を差し伸べるべきかと思います。
 外国人と日本人の間で生まれた子供たちは、本当に不当ないじめに遭っていて、まだまだ多く、むしろ増えているかもしれません。一方で、外国籍県民の方々も増えていますし、また定住化も進んでくるわけで、本当に、抱える課題そのものが複雑化し、多様化してきているということも事実だと思います。大変難しい状態かもしれませんが、多文化共生という以上は、ともに県民として暮らしていくわけですから、そういう社会の実現に向けて、是非積極的に取り組んでいただけるように要望しまして、この質疑を終わります。




 「今後の水道事業のあり方を考える懇話会」について
<質疑>
 企業庁のホームページを見ていましたら、「今後の水道事業のあり方を考える懇談会」が今行われています。大変な回数と議論の量で、プリントアウトしたら、非常にたくさんの資料になり、これだけ活発な議論が行われていると思います。もちろん水道事業というのは、企業庁の主要事業ですから、その将来を見据える中で、この「今後の水道事業のあり方を考える懇話会」の議論の状況について、その中のポイントを教えてほしいと思います。あと、この懇話会が一定の結論を出した後、県としてどのように動いていくのかということを含めて、何点かお聞きをしたいと思います。
 まず、最初に、確認の意味で、「今後の水道事業のあり方を考える懇話会」の設置のいきさつについて、お伺いをしたいと思います。
 私が承知しているのは、平成18年1月31日に第1回目が行われ、大体1年ぐらいで結論を出す予定でしたが、去る平成19年5月28日に、第10回目が行われ、第11回目が来月の13日に開かれるということは、ホームページを拝見して分かっているのですが、なぜこの懇話会が設置されたのか教えてほしいと思います。

<答弁> 計画課長
 懇話会を設置することになりました経緯ですが、県内で4大事業者と言われている、神奈川県、横浜市、川崎市、横須賀市は、相模川、酒匂川の大きな河川を共通の水源として利用しております。その中で、全給水量の約半分を神奈川県内広域水道企業団からの用水供給で賄っております。
 しかしながら、水道料金に格差があり、県民からは少し分かりづらいとの御指摘があり、議会からもお尋ねがあったことがございます。
 また、最近の給水量について、各事業者とも減少傾向にありますが、このまま推移すると仮定しますと、水道事業の経営に大きな影響が出てきます。また、今後発生する老朽化した水道管や浄水場といった施設への大量更新への対応も中長期的な経営課題となってございます。
 県民の皆様に、安全で良質な水を安定的に供給するため、各事業者は、連携をしまして、今申し上げましたような課題に対して取り組むことが重要であります。このようなことから、平成17年9月、県知事、川崎市長、横浜市長の3首長の懇談会があり、その席上、知事が設置を提案しました。その後横須賀市長、神奈川県内広域水道企業団企業長の賛同を得て設置されたものでございます。1回目は、先ほど委員お話しのとおり、平成18年の1月31日に開催されております。
 この懇話会の検討内容等でございますが、水道事業の経営課題と将来の展望、それから経営効率化の在り方、広域化の在り方、民間活力の導入の在り方となってございます。




<質疑>
 県内の四つの大きい水道事業者が、今後の在り方について、検討していくことだと理解をしました。神奈川県営水道と横浜、川崎、横須賀の4事業者の給水人口は、実に800万人を超えるということで、県内の給水人口全体に占める割合が90%を超え、大きな問題ではあると思います。これからの神奈川県の水道をどうするのかというときに、もちろんこの大きい四つの事業者は欠かせないことだと思います。
 もう一方で、全体の中に占める割合は少ないかもしれませんが、県西部には、小規模な水道事業体が幾つかあります。先ほど、4事業者の中で料金の格差という話があって、知事も随分、その料金の格差に対して心配されていたみたいで、また、議会の中でもそのような議論があったということを記憶しています。今回の懇話会の委員の方々に言わせると、料金差は10%ぐらいで、ある意味、これぐらいの料金格差というのは、誤差の範囲内ではないかという言う人もいるわけです。しかも、本当に大変な事業だけれども、大変すばらしい事業体だとおっしゃる委員の方もいるので、どちらかというと、水源環境税などのときの議論でも、だんだんつまびらかになってきたのは、むしろ、さっき申し上げた県内の小規模な水道事業体の水道料金に、大分差があるということがあります。むしろ知事としては、県内のバランスということで、大規模水道事業者での格差の方が大事かと思うのですが、そういった小規模な水道事業体の状況は、企業庁に関係ないかもしれないけれども、この懇話会のこれからの議論の行方を考えたときに、非常に大事だと思うので、伺っておきたいと思います。

<答弁> 計画課長
 委員御指摘のとおり、県西部の方の小田原市、南足柄市など2市8町は、それぞれ個別に水道事業を経営されております。10事業者ほどですが、大半の水道事業者は、主に地下水やわき水を水源としており、水道料金につきましても、件数に比べて、比較的安価な料金で設定されていると承知しております。
 また、懇話会の議論ですが、ある委員の方からは、単に広域化といっても、4事業者だけの広域化の問題ではなく、他の事業体もいずれは施設の更新が出てくることから、長期的な視点で、効率化をどう考えるか、議論していきたいという意見の委員もいらっしゃいました。




<質疑>
 この懇話会は、これまで10回開催され、何を検討するかという課題については、先ほど御説明をいただきましたが、実際に開いて、どのような議論が出てきているのか教えていただけますでしょうか。

<答弁> 計画課長
 現在、5月までに10回開催しており、その議論の状況ですが、5事業者の経営、施設面から見た実態の把握、課題の抽出、経営の状況、総配水量の推移、水道管の老朽化の状況について、各事業者から資料を求め、6回にわたり意見交換が行われました。その後、2回ほど調査内容、あるいは意見交換の内容をもとに、水質、地震など、安全、環境への配慮、あるいは経営の合理化、適切な更新投資というものについての議論が進められました。
 また、直近の9回、10回でございますが、報告書のまとめに向け、検討事項である経営課題と将来の展望、経営の効率化、広域化、民間活力の導入の在り方の議論がなされているところでございます。




<質疑>
 今、御説明の中で、更新のことも触れられ、知事もおっしゃっていますが、この四つの大きな水道事業者の主要浄水場は12箇所あって、そのうちの7施設については1960年代に建設または改修されたもので、恐らく2020年前後に更新時期がきて、これをどうするかという議論も当然あったと思いますが、それは、どんな形で議論されたのでしょうか。

<答弁> 計画課長
 浄水場は大きな施設で、更新には多額の費用を要します。今、委員御指摘のとおり、2020年以降、各事業者とも更新時期を迎えてくるわけですが、更新時期について、コンクリート等の法定耐用年数を58年で計算しますと、2020年ごろとなりますが、耐用年数が来たからすぐ、その浄水場が使用不可になるわけではないと考えております。しかし、各事業者が同じような時期に更新を集中的に迎えるところで、将来それをどうするのかという計画を持つ必要があるというお話をいただいております。




<質疑>
 計画を持つ必要があるというのは、懇話会としては当然だと思うのですが、これからどういった計画をつくっていくのかも、大変な問題であると思います。
 ところで、この懇話会は、1年を目途というお話で始まったかと思いますが、そろそろ1年半になろうとしています。終わらないと答申が出ないのですが、長引いている理由は、何なのでしょうか。

<答弁> 計画課長
 長引いている理由でございますが、議論の途中で、委員の方から、また座長からもお話があり、事業者ごとの個別課題を分析、整理するという段階で、どうしても聞き取り調査を複数回やりたいという要望が出されました。この意見交換を行うために、開催回数が増え、答申が当初の1年より遅れている状況です。




<質疑>
 聞き取り調査で時間がかかるということは分かりましたが、そういった中で、特に時間をかけて丁寧に議論されている内容について、もう少し詳しく教えてもらえませんか。

<答弁> 計画課長
 特に時間がかけられた議論の中身ですが、安全や環境への配慮というものでございます。具体的には、油流出事故などに代表されます水質事故に対する安全対策、あるいは管路の耐震化等の地震災害対策が十分なされているかという議論です。
 さらに、水道施設を含めました経営の在り方としても、今後の長期的な課題として、浄水場や老朽管の施設の更新、それから職員の問題で団塊の世代の大量退職や、これに伴う技術の伝承をどうするか。さらには、民間活力導入の在り方に関する議論が重点的に行われております。




<質疑>
 この懇話会というのは、神奈川県内広域水道企業団と、横浜、川崎、横須賀の各事業者を含めた水道事業について、総合的に検討をする場だと思いますが、特にその中で、県営水道に関しては、どのような議論がなされたのかということをお聞きしたいと思います。
 実は、平成15年3月から平成17年8月まで、神奈川県営水道問題協議会で、神奈川県営水道事業の運営についてという報告書が出ています。そこで、様々、県営水道についての議論がされたと承知はしているのですが、この懇話会の中で出てきた県営水道の課題と共通するものがもちろんあると思いますし、また、違うこともあると思うのですが、その辺りも含めて、県営水道の課題に対して議論した内容を教えていただきたいと思います。

<答弁> 計画課長
 これまでの懇話会では、安全・環境への対策、経営状況という議論をしていただきました。いずれの事項につきましても、県営水道だけ特にという議論はございませんでしたが、5事業者全体にわたって、先ほども出ましたが、将来の浄水場の更新は、金額が相当にかかるものですから、それを含めて、今後30年程度の将来を見通した計画が必要だという御指摘をいただいているところでございます。




<質疑>
 神奈川県営水道問題協議会からの答申では、いろいろな経営上の注文がついています。料金水準の問題や料金体系の問題、もちろん石綿セメント管や鉛製の給水管を早期に解消すべきなどといったこともありますが、答申の中には、経営に関する内容が大分多く含まれていたようですけれども、そういったことに関しては、特段この懇話会の中では出ていないのでしょうか。

<答弁> 水道電気局参事
 委員お話しの水道問題協議会につきましては平成17年9月に報告書をいただいております。
 ここでは、安全問題、災害時における問題、施設整備の在り方ということで、県営水道の今後の在り方について、様々な観点から御指摘をいただきまして、この報告を受けて、神奈川県営水道事業経営計画を策定し、平成18年度から実施しております。
 当然、各々5事業者が様々な形で長期的な計画を持ってございますので、その計画について、懇話会の方に計画書を提出していただきき、その内容をもとに、懇話会の委員の方々に、様々な議論をしていただいております。
 先ほど来から、県営水道独自の課題につきましては、計画課長から答弁させていただきましたが、5事業者の共通の課題ということで、施設の老朽化、あるいは浄水場の更新の問題が共通している課題でございますので、県営水道として特に挙げられた課題という議論はされてなく、5事業者共通の課題として、まとめていただいています。したがって、水道問題協議会で出されております報告書の中身というのも、同様の意見として、鉛管の問題、石綿管の問題も出てきているのは事実です。




<質疑>
 例えば職員1人当たりの給水人口だとか、給水量、事業収益ということは、他の横浜、川崎、横須賀と比べても、大変良い状態にあるということで、皆様の御努力もあると思いますが、確かに県営水道を特出しにして、何か注文を付ける以前に、横浜、川崎に付ける注文の方が先に来るのかという状況であるとは認識をしております。
 これまでの議論の状況については理解をしたわけですが、今後の懇話会の予定は、どのように考えているのでしょうか。

<答弁> 計画課長
 委員御承知のように、7月13日に第11回懇話会を予定しております。このとき、他県の状況を参考とした広域化に関する調査等が行われることとなっております。私どもとしましては、第11回の後で、懇話会の取りまとめに向けた作業に入っていただけるものと考えております。



<要望>
 懇話会で論じられている四つの水道事業、そして水道企業団という全国的にも大変大きい有数な規模の県内の水道企業体が、お互いに協力して、連携していくということは、今後の水道経営の効率化や安定化につながっていくと思います。
 また、安全な水を安定的に供給するということが、一番の使命だと思います。この答申が出た後、それぞれの事業体で、どのような連携をとって、どのように協調していくのかということを十分に検討していただくよう要望しまして、この質問は終わります。




 相模ダムのしゅんせつについて
<質疑>
 相模ダムのしゅんせつについて、主要事業の概要の中でもありましたが、この相模貯水池大規模建設改良事業の計画内容について、まずお伺いします。

<答弁> 利水課長
 相模貯水池大規模建設改良事業の計画内容ですが、しゅんせつ量としては、原則年間25万立方メートルですが、流入土砂量により変化し、それに応じ弾力的に対応していくこととしております。また、貯砂ダム等により除去量として、年間5万立方メートル、桂川上流の民間砂利採取として5万立方メートルということで、合計35万立方メートルの除去をするということでございます。流入土砂量については、年間33万立方メートルを見込んでいるところでございます。
 また、事業期間としましては、平成5年度から平成31年度までの27年間ということで、総事業費は、概算で600億円を見込んでいるところでございます。




<質疑>
 今お話ししていただいたことは、資料にも記載されていますので、理解をしております。年間の流入土砂量は、33万立方メートルと見込んでいるということですが、事業開始後、土砂の流入状況はどのようになっているのかお聞きします。

<答弁> 利水課長
 流入土砂量について申し上げますと、事業開始後の平成5年から平成18年までの年間流入土砂量の平均でございますが、約23万立方メートルで、計画の33万立方メートルに比べ、少なくなっている状況です。これにつきましては、毎年の流入土砂量の傾向について申し上げますと、その年の降雨の状況によって大きく左右されます。具体的に申し上げますと、平成8年のような渇水のときには、土砂の流入量が約4,500立方メートルと少なく、平成13年の台風により相模ダムへの最大流入量が毎秒1,600立方メートルになるような強い雨が降った場合には、約60万立方メートルの土砂が入っており、年によって大きく違うという状況でございます。




<質疑>
 年によって本当に全然違うということですが、今、水源の森林づくりということを進めております。強い雨が降ったとき、森林が荒廃をしていると、表土がむき出しになっているので、強い雨によってその表土がえぐられて、削り取られ、それが泥水になって川に流れ込み、それがまたダムに流れ込むので、土砂がたまっていくということを我々は一般的な概念でとらえているわけです。
 森林の荒廃ということと、このダムへの土砂の流入量というのは、どのように関係しているのか。このダムを実際管理されている企業庁にお聞きします。

<答弁> 利水課長
 森林の荒廃とダムに入ってくる流入土砂の関係ということでございますが、一概に荒廃そのものが流入土砂量に直接比例していくかということを考えた場合には、まず、数字的には、荒廃すればするほど、土砂の流入が多くなるという傾向はあろうかと思いますが、ただ、それが各年度の流入土砂量に直接影響しているかというところまでは、量的に把握はできていないところでございます。




<質疑>
 森林の荒廃を食い止めて、きちんと下草が生えたり、低木が育つ森になれば、土砂の流入量が減るのではないかと、素人は漠然と思ってしまうわけです。でも実際には、どんなことをしても、一定の量は、流れ込むということは、これはもう食い止められないものだと考えてよろしいでしょうか。

<答弁> 利水課長
 これは、山と海の全体の自然の中で、土砂が上流から下流に流れるという過程の中で、量的な大小はあるかと思いますが、どんなに対応したとしても、これは自然な流れだと思います。それによって、ゆくゆくは河川を流れて、海に行って養浜になる。そのような一連の流れの中での動きかと考えております。




<質疑>
 ということは、そのダムの底に土砂がたい積していくというのは、これはもう自然の流れですが、これだけのお金をかけて、ずっと事業としてやっていることは、別に、そんなに悪いことではなく、ありきたりな言い方をすると、しようがないというか、織り込み済みと考えてもいいような事業ないし予算であるわけでしょうか。

<答弁> 利水課長
 委員おっしゃるとおり、ダムというのは、水をためるために河川をせき止めてつくりますが、水だけをせき止めるわけにいかないので、どうしても土砂はたまってしまいます。それはダムの宿命といえば宿命ということでございます。
 したがいまして、当然ダムのたい砂は、多い少ないはありますが、年を経るとともにたまってくるわけです。たまり方としても、ダムの上流から徐々にたまってくるのが一般的だということでございます。
 そうしますと、ダムの上流というのは、河川がありますので、次の洪水がきたときに、水位が上がって災害を起こすという状況も想定される中で、ダム管理者の使命としましては、そのような災害が起きないような対応をしなければならない。また、貯水池を利用するという意味からも、必要なしゅんせつはやっていかなければならないことで、このダムを、今後もずっと使用していくというところからすれば、今後もしゅんせつは実施していかなくてはいけないと考えております。




<要望>
 その土砂を利用した養浜のことなどにも言及をしようと考えていましたが、それはまた別の機会にお尋ねをさせていただきたいと思います。
 今御説明がありましたが、将来にわたって水を安定的に利用していただくのに、このしゅんせつというのは、本当に切りのない仕事だと思いますが、一方で大変重要な取組だと思いますので、これからも、継続的なダムの保全対策に、しっかりと取り組まれるように要望しまして、私の質疑を終わります。