文教常任委会にて意見及び要望を述べました。(3月8日)
 公明党県議団を代表して、当常任委員会に付託された諸議案の採決に先立ち、意見・要望を述べます。

■県立中等教育学校について
 県立高校改革推進計画後期実施計画において、平成21年度に2校の中等教育学校の開校が予定されており、新たな試みとして期待したいと思います。
 本県初の6年制の公立中等教育学校であり、果たしてどのような学校になっていくのか、大いに不安に思っています。例えば、入学時においては学力検査を行わないということでありますので、6年間という期間の中で、生徒間の学力格差が大きく広がってくるのではないかと危ぐしています。
 中高一貫教育を行ってきている私立学校の状況とか、他県における先行事例等を十分に調査研究し、6年間の一貫教育についてのメリット・デメリットを検証するなど十分な準備をし、新しい学校教育の中で生かすことを要望します。

■奨学金制度について
 ここ数年、奨学金の応募者数が大幅に増加しており、財政的にも非常に厳しい状況にある中で、平成19年度当初予算案を見ると、今年度の当初予算と比べ3億1,000万円を超える大幅な増額が計上されており、そのことについては大いに評価をしたい。
 一方、平成19年度から奨学金の採用条件として成績要件を導入するということであり、現在奨学金を受給している生徒を含め、少なからず影響が出るものと考えます。
成績要件の導入によって学校現場に混乱が生じることがないよう、さらに周知徹底を図り、新しい制度が円滑に導入できるよう、より一層の努力をお願いします。
 奨学金の原資である返還金の返還率を上げていくためにも、督促業務の民間委託について、是非、前向きに検討していただきたいということを要望しておきます。

■フリースクールとの連携について
 平成19年度当初予算案の中に、不登校、いじめ、暴力行為などへの対応として、NPOやフリースクールと連携した事業が幾つかあるが、子どもたちを取り巻く課題は多様化してくると思います。そのような状況に対応するためのNPOや広義の意味でのフリースクール等も増えてくると思われる。
 教育委員会においては、県民部など他部局とも十分に連携を図りながら、教育委員会でなくてはできないことについて、より積極的かつ柔軟な姿勢をもって、NPO・フリースクール等への支援や連携を進めていくよう要望します。

■新たな仕組みの学校づくりについて
 課題の多い学校への取組を一層充実させた新たな仕組みの学校づくりの検討を進めているとのこと、大いに期待しています。しかしながら、この新たな仕組みが真に実効性を発揮できるかどうかは、そこに赴任する教員によるところが大きいと考えます。そこで、こうした課題の多い学校に赴任する教員については、やる気と適性を考慮し、志願制とすることも視野に入れて今後検討を進めていただきたい。また、この取組については、できるだけ早期具体化に向けて一層の努力を併せて要望しておきます。

■まなびや計画について
 県立高校の耐震化対策、老朽化対策、シックスクール問題について議論してきましたが、このたび県立教育施設再整備10か年計画、いわゆるまなびや計画を策定し、今後10年間で約1,000億円をかけ県立の教育施設を整備していくとのこと。まずは全体のフレームができたということは大変良かったと評価するが、具体的に整備していく施設については、的確に優先順位を見極め、着実に整備を進めていただきたいと考えます。とりわけ生徒の安全にかかわる耐震化対策については、緊急に着手していただきたいと考えるし、また、大規模修繕だけでなく、トイレや排水管などといった細かなところの修繕についてもきちんと配慮してこの計画を進めてもらいたいということを併せて要望しておきます。

■教育活動の充実について
 学校の施設整備と併せて大切なのが、子どもたちへの学習指導や生活指導といった教育活動の充実です。来年度は、いじめ、不登校対策として、未然防止に視点を置いた新たな取組を行っていくということですが、これと併せて、各学校の校長のリーダーシップを十分に発揮し、学校全体が一丸となったぶれない指導を行っていくことも重要と考えます。また、指導力に優れた教員の認証制度を具体的に進めるなど、より一層教員の質の向上を図っていただくよう要望します。
 現在、子どもたちを取り巻く課題は山積しており、国においても教育再生会議を設置するなど、教育問題は注目を集めてます。県教育委員会としても、神奈川らしい教育ビジョンを示し、未来を担う神奈川の子どもたちのために、最大限の努力をお願いしたいと思います。
 以上、意見・要望を申し述べましたが、公明党神奈川県議団としましては、当常任委員会に付託されました日程第1及び日程第2の諸議案に賛成します。