■ 文教常任委員会 フリースクールについて(2月28日)
<質疑一覧>
 フリースクールについて


<質疑>
 次は、フリースクールとの連携についてお尋ねをしたいと思います。
 教育委員会はフリースクールとNPOとの連携、取組を進めているということですが、一口でフリースクールと言ってもいろいろな形があると思うのですが、定義というものはあるのですか。

<答弁> 子ども教育支援課児童生徒指導室長
 フリースクールにつきましては、公的に認可されたものではございませんので、明確な定義というものはございません。




<質疑>
 定義がない中で、教育委員会としてはどういったフリースクールとの連携を進めようとされているのでしょうか。

<答弁> ども教育支援課児童生徒指導室長
 フリースクールといいましてもいろいろございますけれども、我々は不登校対策の一環としてフリースクールや、フリースペースなどとの連携を進めていきたいと考えておりますので、連携の相手方として考えておりますのは、学校へ行きたくても行かれないという不登校の子どもたちを家にひきこもらせないように、居場所としての活動をしているスクールだと考えております。




<質疑>
 これまでフリースクールへの支援というのは、県民部が中心になって行ってきたと思うのですけれども、このタイミングで教育委員会としてフリースクールとの連携を始めようとするのはどういう理由なのでしょうか。

<答弁> 子ども教育支援課児童生徒指導室長
 本県におきましては、各部局でNPOとの連携が進んでおりますけれども、私ども教育委員会の場合は、特にフリースクールとの関係、連携というのはございませんでした。実態といたしましてはフリースクールに子どもが通っていても、学校の担任は子どもがフリースクールに行っていることを知らない、あるいは知っていてもそこのフリースクールに担任が行ったことがない、見たことがないという状況があるところでございまして、やはり教育委員会、あるいは学校の教員としましては、責任として不登校の子どもたちがどこで何をしているのかというのは分からないというわけにはいきませんので、しっかりと把握しておくべきだと思いました。
 そして現在学校へ行ける状況ではないとしましても、フリースクールと学校が連携していれば一緒になって支援を行うことができますし、将来的に学校に復帰するというようなときにはフリースクールと連携をとっていれば、学校に戻った子どもに対してどんなことに気を付けたら良いのかというような話も伺えますので、このようなことからフリースクールと学校を連携させていこうと考えたところでございます。




<質疑>
 学校に行けなくなった子どもが自分の居場所をどういうところに求めていて、どのような顔をしてそこに通っているのかというのを知ることは、学校の先生にとっても非常に大事なことだと思いますので、今、御説明いただいた趣旨はとても理解をいたします。
 ただ具体的に、教育委員会としてどういう支援をしていこうと考えているのでしょうか。

<答弁> 子ども教育支援課児童生徒指導室長
 これまで学校とフリースクールというのは、必ずしもうまくはいっていない。逆に背を向け合っていたような状況でございまして、まず、その関係の改善というのが第一歩かと考えております。そのために、神奈川県学校・フリースクール等連携協議会に、県内のフリースクール10箇所に参加していただき、お互いの相互理解、そして連携の在り方について協議を行っているところでございます。また、この連携は当然地域との連携が大切でございますので、県内を10地区に分けまして、各地域におきましても同じような連携協議会を立ち上げているところでございます。
 さらに、相互理解するためには、一緒になって事業を行うのが一番良いのではないかということで、今年度から既に行っておりますが、フリースクールと教育委員会が一緒になりまして、相談ブースを設けた不登校相談会でありますとか、中学校3年生の不登校の子どもたちの進路情報を説明しようということで、進路情報説明会というようなものも6回行っているところでございます。
 本年度は、実際に学校とフリースクールの連携をどうやるのかということで、モデル事業というようなものも3箇所のフリースクールにお願いしているところでございます。
 そして、来年度予算としてお願いしてございますのが、今度は子どもだけではなく、親の支え合いというのも必要でございますので、親に対する支援もフリースクールと一緒になってやっていこうと考えているところでございます。




<質疑>
 私が冒頭にお話しした日本人と外国人のお父さん、お母さんのところに産まれた子どもたちですけれども、見た目が外国人なのですよね。しかし日本で産まれ育っているから英語を話せるわけでもなく日本語しか話せなくて、そうすると「何だお前外人のくせに」と言われて、嫌な思いや辛い思いをしている子どもたちがいて、そういう子どもたちに既存の教育現場以外に居場所をつくってあげることができないかということで始めたのです。
 今、週に1度、週末に横浜市の施設を借りて1時間1,000円のお金をいただいて、2時間1単位になっているのですけれども、ボランティアの人たちが英語を教えてあげているのです。変な話かもしれないけれども、外見はそういう子どもたちだから、将来のことを考えたら英語を話せて当たり前というふうに周りが勝手に決めるわけですから、せめてそれぐらいのことはというのでしてあげている。
 ただ、フリースクールというのは特段明確な定義がないというお話だったのだけれども、まだ規模が小さいとか、始めて月日が浅いということで県民部の青少年サポートプラザに行ったら、ほかのフリースクールが使っているから場所は貸せないと言われたみたいなのです。もう少し拡大し、不登校の子どもたちも土曜日だけではなくて、どちらかというとウイークデーの居場所もないわけで、ウイークデーも展開したいと思っているのだけれども、そのようなことでなかなか難しい部分があるらしいのですね。
 私としては、せっかく教育委員会が今回フリースクールとの連携ということで協働の取組を強化するわけですから、できればそういうところまで見てもらえたらなと思うのですけれども、いかがでしょうか。

<答弁> 子ども教育支援課児童生徒指導室長
 私どもの目指しておりますのは、不登校の子どもたちの支援というのが目的でございますので、強いて条件を言いますと、不登校の子どもたちの居場所としての活動をしていること、もう一つはフリースクールの中には学校を否定しているようなフリースクールがございますので、学校と連携したいという気持ちをお持ちのフリースクールならばどこでもよろしいのではないかと思いますけれども、来年に向けてはフリースクール、フリースペースだけではなくて、親の会みたいなものも一緒になって、あくまでも不登校の子どもたちのために連携がどこでもできるようになれば良いと思っています。




<要望>
 フリースクールの運営というのは金銭的にもなかなか苦労が多いと伺っています。また、神奈川県としてはNPOに対しての補助金など、比較的支援が進んでいると言われていますけれども、先ほどの例はほんの一例だと思いますが、なかなか十分に行き届いているというわけにいかないのかなと思います。
 そういったフリースクール、あるいはNPOへの支援というのは県民部が中心になって行っているということは承知しているのですけれども、教育委員会でなくてはできないこと、今の学校との連携はまさにそうであるわけですから、県民部とは別の角度から支援、あるいは連携をさらに進めていただきたい。