6年間という少年期から青年期にかかる長い時期のことですので、当然、学力面でも場合によっては一定の差が生じてくるような可能性も御指摘のとおりあろうかと思っております。
基本的には中等教育学校として6年間面倒を見ますということで受け入れるわけでございますので、基本の精神としては一人一人に応じた指導を丁寧にやっていくということに尽きるのではないかと考えております。しかし、そうはいってもという部分がある中で、幾つか取組の仕組みも考えていかなければいけない。
中等教育学校の計画の中で6を2年間ずつのブロックのようなものに分けております。最初の1、2年目が基礎・観察期、3年目と4年目が充実・発見期、そして5年目と6年目が発展・伸長期というふうに三つのブロックに分けております。このことは単に学習の内容の深まりの程度ということだけではなくて、学力面での伸長というものに差が付いてくる中で、きちんと子どもたちにもその辺の自分の状況を把握させ、保護者にも理解していただく、学校としてもきちんと把握をしていく、そして一人ずつに応じた指導を丁寧に積み重ねていくということにおきまして、この三つのブロックというものを最大限に活用していくことは必要ではないかと考えております。
個人別の指導観察記録のようなもの、カルテのようなものと思っていただければ良いのですが、そうしたものも一人ずつにきちんとつくりまして、家庭とも共有をしながら、例えば学習面であればどういうところに課題があるのか、どの辺が伸びていないのか、そういうものを丁寧に指導していく必要があるのではないかと考えております。
前期の中学校3年間が終わる部分で、3年間を振り返る中で修了のための何らかのセレモニーとでも申しましょうか、それは単にテストということでは不十分かもしれませんけれども、いろいろな形での発表の機会も設けまして、いわば6年間の中で幾つかの段階で、関所と言うと例えとしては適当ではありませんが、そういうようなものもいろいろ工夫をしながら、確認をしながら次のステップに進ませるというようなことを実践的に実施していかなければいけないと思っております。
現在の県立高校でも、例えば英語であるとか数学を中心に、習熟度別の授業展開がかなりされておりますので、そうしたことも組み合わせながらやっていくと。基本はお預かりした以上6年間、丁寧に面倒を見て、それぞれの卒業後の進路その他を見出すような努力をしていくことに全力を傾けていくことになろうかと思います。
|