■交通・地域活性化特別委員会 新エネルギー導入の進捗について(平成18年10月2日)
<質疑一覧>


<質疑>
 まず、先ほどから電気自動車をめぐって、委員の方々と当局の方でいろいろ議論がありましたけれども、私はそれを伺っていて強い違和感を感じたんですね。電気自動車そのものは、いろいろ問題点はあるにしても結構だと思うんだけれども、ただ、やり取りを聞いていると妙に具体的で、本当にすぐにでも走り出してしまうような、そんな感じがするんですよ。これをそのほかの新エネルギー施策と比べると、すごく違和感を感じるわけです。私は1期4年間のうち、平成15年度は総務企画常任委員会、平成17年度は産業振興特別委員会、そして本年度はこの委員会ということで、3回にわたって新エネルギーに関係する委員会に所属させていただいているんですけれども、本当に遅々として、全然進まないというか、ほとんど進展が見られない。
 今日、資料をいただきましたけれども、例えば2003年3月には、かながわ新エネルギービジョンを策定して、新エネルギーの普及に総合的に取り組んできた。また、2004年3月に策定した神奈川力構想・プロジェクト51と、そして2005年10月に改定した神奈川県環境基本計画でも、新エネルギー導入の推進というのを明記しているわけですよね。でも、なかなか進んでいないというのが実態なのかなというふうに思っているんです。
 そういう中で伺っていきたいんですが、まず、本日の資料の中にあるデータの読み方について確認させていただきたいと思います。3ページの表2なんですが、こちらでは2010年度の供給側の新エネルギー導入目標量として、原油換算で87.3万キロリットルなんですが、それが恐らく35万キロリットル程度にとどまるだろうというように読めるんですけれども、それは間違いございませんか。

<答弁> 環境計画課長
 資料3ページの表2の中にございます、新エネビジョンにおける2010年度の導入の目安の項目につきましては、それまでの傾向値と政府目標按分値と二つ記載させていただきました。これは、神奈川県地球温暖化対策地域推進計画がございますが、そちらの方で数値目標を出しまして、その数値目標は国の目標である政府目標按分値というものを県の目標にしたということでございます。
 そういった関係で、今御指摘いただきましたとおり、傾向値と政府目標按分値とはすごくかい離しておりましたので、実際には傾向値よりも多少上向きにはなっておりますが、政府目標按分値にはなかなか届きそうもないというのが現実でございます。




<質疑>
 もう1点確認をさせてください。神奈川力構想・プロジェクト51では、太陽光発電について、2006年度の導入目標量を6.4万キロワット、原油換算にして1.6万キロリットルというふうに目標値を定めたわけですが、平成16年度の時点では太陽光発電の導入量が0.74万キロリットルであるということで良いですか。

<答弁> 環境計画課長
 そのとおりでございます。




<質疑>
 もう一つ、神奈川県環境基本計画の中でも、太陽光発電の導入量の目標があるという記述があるんですが、これは細かい数字が出ていないんですけれども、その導入量の目標というのをお示しいただけますか。

<答弁> 環境計画課長
 総合計画と同じ数字を目標としておりますので、2006年度で6.4万キロワットということでございます。




<質疑>
 分かりました。今、太陽光発電を例にしましたが、供給側の新エネルギー全体で見ると、資料記載のとおり、平成8年度から平成16年度までの8年間で1.19倍しか伸びていないということです。そうなると、先ほどの議論にもありましたけれども、例えばDMEや燃料電池自動車またCNGのお話も出てまいりましたけれども、その辺はどうなっているのかという疑問が出るのは当然かなと思うんですね。
 そこでお伺いしたいんですが、今回のこの電気自動車の構想とほかの新エネルギー対策とのバランスを県としてどういうふうに考えているのか。ちょっと抽象的な質問なんですが、お聞かせいただきたいと思います。

<答弁> 環境農政部次長(環境技術担当)
 これらの新エネルギーの導入については、それぞれのエネルギー分野ごとに私ども努力してまいっております。
 太陽光発電については、環境基本計画等に位置付けているということから、重点的に取り組んでいる。それにつきましては、今後も同じ方向で考えています。現在、特段の補助制度などは持ち合わせておりませんけれども、先日の本会議で知事の答弁にもありましたけれども、太陽光発電で発電した電力のうちの夜間の分につきましては、現在、東京電力(株)において、環境付加分として買い取っていただく。残りの昼間の電力の分については、こういった取扱いがされていないということから、これを証書化をして、証書化したことによって、その買取り費用を新たな普及への充当分としていくという、そういう制度の検討を現在しております。こういうことを通して、太陽光発電の普及に努めてまいりたい。
 先ほど来の電気自動車の分については、クリーンエネルギー自動車という分野において、具体の取組として、今回構想のイメージを出させていただいたと。それぞれ分野ごとに、私どもとして取組をしていきたいというふうに考えております。

<答弁> 環境計画課長
 今、次長の方から太陽光発電の証書化というお話がございましたので、その部分について補足説明をさせていただきます。
 太陽光発電ですから、太陽が出ているときは発電しているわけです。そうしますと、昼間発電しているということになります。昼間というのは、冷蔵庫など常に動いているものもありますけれども、通常、照明などは使っていないわけです。人がいなければ空調も使っていない。そういうことで電気が余るわけです。それを東京電力(株)と系統連携という形で設備を結びまして、余った電気は買ってもらうという形になっております。買ってもらう値段というのは、昼間の値段ですと、大体22円から25円ぐらいで買ってもらうという形になります。
 例えばの数字で言いますと、神奈川県内では大体3.3キロワットぐらいの設備を一般の家庭では設置されているんですが、1キロワットであれば1,000ワット・アワーを発電すると。ですから3,300ワットぐらい発電して、半分の1,650ワットぐらいは東京電力(株)に売ると。それで、残りは自分のところで消費している。自分のところで消費しますと、電気は使っていますけれども、太陽光発電は発電するときに二酸化炭素を出していませんから、価値があると。それで、その価値を証書化すると。それに価値が認められて、証書にして売買ができて、そのお金を設置者にお返しできれば、その家の設備投資額が早目に回収できるということになります。また、それをプールして何らかの形に使えば、太陽光発電の導入促進にも使える。そういった形のものを現在検討しているところでございます。




<要望>
 電気自動車というのは大変センセーショナルなテーマで、今日もこの特別委員会で議論がたくさんされたわけですけれども、アドバルーンとしてはとても象徴的で良いものだとは思います。けれども、やはりこれまで地道に継続をしてきた様々な施策、先ほどのDMEだとか、燃料電池自動車だとかは、何か電気自動車の陰に隠れてしまいがちだと思うんですが、そういったものも決して置き去りにせずに、忘れずに、これからもしっかり取り組んでいただきたいという要望をしまして、次の質問に移ります。