神奈川だけなぜというところの分析、非常に構造的にいろんな要因があるのかなと思っておりまして、無論、これは企業の責任というような話ではないんだろうというふうに思っております。例えば、神奈川の置かれた社会的な構造というのを特徴的なテンデちょっと考えてみましたときに、一つは核家族化、これは神奈川だけではない全体的な全国の傾向でございますけれども、例えば3世代で同居している割合、これ一つ見たときに、神奈川は5.5%という数字がございます。全国がどうかと言いますと大体10%台、比較的じいちゃん、ばあちゃんと一緒に住んでいる、孫が。そうしますと、お嫁さんがお勤めしても、じいちゃん、ばあちゃんがいわば昼間面倒を見てくれる、こういう割合も高い。
神奈川がなぜそうなのかという点は、ある意味、社会構造的に例えば地価が高いというようなことから、1世帯当たりの住宅の狭さと申しましょうか、これも統計的に全国からかなり低いレベルで、狭隘な住宅に住んでいるという傾向が一つございまして、なかなか3世代で住めないというような要因が一つ神奈川としてあるのかなと。三、四十年台前は、姉さんかぶりした、ちゃんちゃんこの小学生がいたというような光景も今は全く見られない。そんな状況だろうと思います。
それから、そうなりますと面倒を見てくれる人がおりませんので、だれが面倒を見るかとなると、やはり公共なり保育所というようなことが必要になってまいるわけなんですが、神奈川の現在待機しています児童数、これは全国で3番目に高い。16年4月現在で3,000人を超えておる、待機児童です。こんな現状も一つにはあるのかな。
それから、もう一つは御主人に依存し得るような収入の一つ高さも、神奈川というのはほかの県よりも世帯割の収入が高いといったようなことで、何とかやっていけるといったようなことも、あるいはあるのか。
それから、もう一つ通勤に要する時間が神奈川というのは非常に長くなっています。女性でも20代で正社員で勤めている方は、大体1時間を超えています。全国の平均ですと大体40分、あるいはそれを切るような通勤時間、その辺も大変重荷になっているのかなというようなことで、これはなかなか難しい問題かと思いますが、ちょっと考えましたときに、そんなようなことが神奈川の特性としてあるのかなというふうに思っています。
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