【公明党 神奈川県議会インフォメーション】
12月定例議会

■「地方創生プロジェクトチーム」を設置へ!
 まち・ひと・しごと創生法案が可決され、国の総合戦略を勘案した地方の総合戦略の作成に努めるよう求められている。本会議の代表質問で、黒岩知事に対し、県として、この地方創生にしっかりと対応するために、これまで以上に体制を強化して対応し、どのような体制で、地方創生を推進していこうと考えているのか質問した。
 知事からは、庁内に部局横断的に対策を立案する「地方創生プロジェクトチーム」を設置するとともに、「地方創生対策調整会議」において、戦略的、機動的に検討を進めていく全庁的な体制を整えると答弁があった。

■情報トリアージ活用で、災害対応能力を向上へ!
 災害情報トリアージは、重要な情報を見落とさないために、災害の案件ごとに緊急性を判断し、災害情報の見える化を図り、優先順位を決める仕組みであり、災害時に迅速・的確な応急対策を実施するには、災害情報トリアージの仕組みを取り入れていく必要があると提案。
 知事は、自衛隊OBの能力を活用した訓練を行い、適時、適切な情報トリアージが行えるよう訓練を積み重ね、県としての災害対応能力の向上に努めていくと答弁した。

■高齢者標準社会に向け、高齢者や介護予防などの実態を把握へ!
 高齢者を標準とする仕組みづくり検討委員会の意見書が知事へ提出され、かながわ高齢社会リソースセンター(仮称)の設置が提案された。そこで、知事に対し、具体化を図るとともに、地域包括支援センターなどの認知度や高齢者を取り巻く実態を把握すべきと提案。
 知事は、リソースセンターについては、名称も含め具体化に向けて検討を進め、高齢者や介護予防の取組みなどの実態把握に努め、必要な調査について検討し実施していくと答弁した。

■認知症対策、初期段階の支援や認知症サポーター養成を拡充へ!
 首相が新たな認知症対策の「国家戦略」を策定する方針を表明しており、認知症の人への支援も新たなステージへと入っていく。そこで、認知症になっても、本人の意思が尊重され、希望を持ってよりよく生きられるよう、今後の支援のあり方をどのように考えているのか知事に質問。
 知事は、認知症初期段階の支援や認知症サポーターの養成を拡充し、認知症の方とその家族が、地域で安心して暮らし続けられる神奈川を目指していくと答弁。また、「徘徊」という言葉などをポジティブな表現に変えることなども今後考える課題であるとの考えを示した。

■青少年のネット利用対策、生徒自ら教材を作成へ!
 インターネットを正しく利用するためには、家庭が果たす役割が非常に重要となってきており、子どもたちへの指導だけではなく、保護者に対する周知や啓発が必要であり、取組の充実が求められる。そこで教育長に、今後どのように取り組んでいくのか質問。
 教育長は、ハイスクール議会で提案のあった、SNSの利用に長けた高校生たちによる「情報会議」を設置し、生徒自らが教材を作成すると共に講師となって、教職員に研修する取組に着手、モラルとスキルを身に付けてもらえるよう取り組むと答弁。

■女性支援担当理事の設置を提案!
 知事に対し、女性が輝く神奈川の実現に向け、女性が力を発揮できるようにするための、今後の施策展開についてどのように考えているのか質問。また、今後、本県において女性の活躍を支援する施策を推進するため、女性支援担当の理事などの責任者の設置や、組織の体制強化を検討すべきと提案した。
 知事は、現在、部局横断的な体制として、「人権男女共同参画施策推進会議」を設置して、取り組んでおり、この会議を中心に、各局の連携をより一層強化し、更に必要があれば、体制について検討していくと答弁した。

■妊産婦にやさしい環境へ、ワンストップ拠点を整備へ!
 マタニティマーク等の認知度が低い実態が明らかとなり、妊産婦などにとってやさしい環境づくりが進んでいない現実があることから、知事に対し、安心して妊婦・出産に臨めるよう、マタニティマークの周知など県民に対する情報提供の強化や、妊産婦等にやさしい環境づくりを進めるよう要望。
 知事は、市町村や関係機関等と連携して、ワンストップ拠点の整備や、総合的な相談支援を行う保健師や助産師などの育成に取り組んでいくと答弁した。

■治験・臨床体制の強化を!
 本会議の一般質問で、知事に対し、県が取り組むライフサイエンスの研究成果を実用化するためには、安全性や有効性を検証する治験・臨床研究体制を整えなくてはならず、また、そうすることで、難病や末期がんなど、新たな治療法の開発を待ち望む患者に、最先端の医療を受けてもらうこともできると提案。
 知事は、「神奈川で世界最先端の臨床研究や治験が進むよう、体制強化や人材育成に向けた具体策について、スピード感をもって検討していく」と答えた。

■小児がんへ重粒子線治療の適用拡大を!
 重粒子線治療は副作用が少なく、通院治療も可能であり、小児がんに適用されれば、子どもたちの生活を守り、負担を軽減することができる。
 現在、日本にはがん専門病院と小児がん拠点病院が連携している例はないが、今後、県立がんセンターと県立こども医療センターが連携して、臨床研究に取り組み、小児がんに対する重粒子線治療の安全性や有効性を慎重に検証し、一日も早い治療の実施を目指すことになった。

■てんかんの地域連携診療体制の整備を!
 てんかんは、誰もがかかる可能性のある病気で、正しい診療、治療を受ければ多くの方が普通の社会生活を送ることができる。しかし、専門医の数は少なく、どの医者がどんな診療を行っているのかわかりづらい状況にあるとさえ言われている。
 県では来年度、国と調整し、県内の医療機関を拠点病院として指定し、地域診療連携体制のモデル事業に取り組むことになった。

■女性がいきいきと働ける職場環境の整備を!
 女性の活躍は、パートナーである男性の深い理解と、育児、家事への参加がなくては成り立たない。そこで、知事に対し、「育児休業等を取得し、育児に積極的に関わるイクメンと、それを支える上司イクボスを育て、広める取り組みが必要だと訴えた。
 知事は、明年、「男性の育児休業取得向上プロジェクト」を実施すると答弁。企業内で研修を実施し、従業員全体で改善策を話し合い、男性の育児休業に対する企業全体の意識を向上させると説明した。

■高齢者現役社会へ向けた継続雇用の推進を!
 高齢者が希望する限り現役で働き続けることができるよう、企業に対し働きかけるべきと主張。
 知事は、専門のコンサルタントを企業に派遣し、65歳以上まで働ける制度の導入や、高齢者が働きやすい職場環境の改善などについてアドバイスする事業を実施すると明言した。

■高圧ガス保安体制の充実強化を!
 高圧ガスの輸送に際し、交通事故などで、万一、ガスが漏れ出るような事故が発生した場合にも、その影響を抑え、県民に危害が及ばないようにするため、高度な専門知識を持つ民間の専門事業者の方々の連携体制を確保していくべきだと主張。
 今年度を目途に、人員や資機材などの実態調査を推進し、夜間や休日の体制強化や、毒性ガスへの対処技術の共有などを進め、専門事業者で構成される神奈川県高圧ガス防災協議会を中心とした連携体制の充実が図られる。

■神奈川県動物保護センターの建て替え整備を!
 動物保護センターは40年以上前に、犬を捕獲、収容し殺処分する目的で建てられたものであり、それらを想起させる焼却処分場もそのままで、県の動物愛護を推進する拠点とは言い難い。そこで、県財政が厳しい折、県民の理解のもとで、広く寄付を募る基金の創設なども視野に入れて建て替え検討を進めるべきだと提案。
 知事は、動物保護センター建て替えの必要性を認め、基金の創設を含め、様々な手法を検討すると答えた。

■かながわトラストみどり基金、対象に樹林地等の維持管理を追加!
 環境農政常任委員会で、かながわトラストみどり基金条例の一部を改正する条例が可決。主たる改正内容は、公明党県議団が主張してきたことを踏まえ、かながわトラストみどり基金の処分対象に樹林地等の維持管理を追加することとなった。県議団では、一層の基金の適切な管理処分についても要望してきた。

■神奈川県立花と緑のふれあいセンター、変動料金制導入で効率的な運営へ!
 神奈川県立花と緑のふれあいセンター条例の一部を改正する条例を可決した。
 主たる改正内容は、休園日数及び入園料金を変更、季節による変動料金制を導入し、効率的な運営を行おうとするもの。あわせて、県議団では、同園の魅力度を高め、リピーターの増加などを志向するように要望してきた。

■県立高校改革基本計画(案)に「がん教育」!
 文教常任委員会で、県立高校改革基本計画(案)に「がん教育」を盛り込むべきと提案。具体的には、がん対策の専門家(医療機関、関係団体やNPO団体、ピアサポーター)等と連携したがん教育のモデル授業の実施やリレーフォーライフなどがん患者支援イベントへの参加、民間企業のノウハウの活用及び資金提供を積極的に推進するよう要望した。  当局は、「教育局をあげて検討する」と答弁した。