UR賃貸の事業仕分け 「縮減」どこが問題なのか!?
(6月1日)
 独立行政法人・都市再生機構(UR)賃貸住宅には現在、76万戸に200万人近い居住者が住み、その3割以上が65歳以上の年金生活者です。公共住宅としてのセーフティーネット(安全網)の役割を果たしています。
 「事業仕分け」の判定  高齢者・低所得者向けの住宅は地方自治体もしくは国に移管、それ以外は民営化
  • 高齢者・低所得者向けの住宅を行政に移管すれば、これまでURが家賃収入で返済してきた11兆円もの負債の処理を行政が背負うことに。そればかりか、高齢者・低所得者向けに、公営住宅の安い家賃と、URの現行家賃の差額を行政が穴埋めする新たな財政負担が生じる。
  • 一方、民営化が進めば家賃の値上げに歯止めをかけることができなくなり、居住者の居住の安定を脅かす事態になりかねない。
 独立行政法人の天下りや随意契約など、税金のムダの温床となる経営実態の問題に切り込むのは当然ですが、今回の判定結果は、居住者の声を置き去りにして仕分け人が一方的に議論を進め、いたずらに居住者の不安をあおる乱暴なものだと言わざるを得ません。

 最優先させるべきは入居者の居住の安定です。年金生活者や非正規雇用者の生活を守るため、むしろ住宅セーフティーネットとして公共住宅の拡充を推進すべきです。