2003年のメッセージ

 <人間サイズの街>
2003.03

保土ヶ谷に暮らして18年、愛着は増すばかりだ。
おしゃれなショッピング街もない。大規模なニュータウンもない。
クルマも入れない狭い路地やどこまでも続く坂道と階段。
なんだか、デコボコな街だけど、だからこそ、そこに暮らす人々の息づかいが聞こえてくる。
道端でうわさ話に興じるおばあさんたち。商店街でお惣菜を買うおかあさん。ランドセルを放って公園で遊ぶ子どもたち。
ベンチに腰掛けて仲良く一枚のCDを聴く学生のカップル。
店の裏に出て一服つける若い店員さん。
小さな赤ちょうちんで、一日の憂さを晴らすおじいさんや、おとうさん。
豪勢でもなければ、かっこよくもない、ごくありふれた光景に、ちっぽけだけれど、たしかな幸福が宿っている。
その、ひとりひとりの幸せを守っていくことが、私の仕事だ。
ひとりひとりが、「保土ヶ谷に住んでよかった」と思える街であるために。
保土ヶ谷を、もっと住みやすく、もっと暮らしがいのある街にするために、たくさんの道を歩き、たくさんの人と出会い、たくさんの暮らしを見つめることから、私の仕事は始まる。